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私の言葉にオジサンは凄く驚いた顔をした。
それには私の方が驚く。
確かに子どもっぽい顔をしているけれど、ここまで驚かれたことは初めてだった。



「高校生なのにこんなに早くから手伝いしてるのか!!
それこそもっと偉いだろ!!
女なんてすぐにクソ生意気になって“疲れた”だの“まだ眠い”だの“やりたくない”だの言うのに!!
俺の従妹達に爪の垢を煎じて飲ませてやりてーよ!!」



私が高校生なのに家の手伝いをしていたことに驚いていたようで、それは考えもしなかったことなので思わず笑ってしまった。



「私、滑り止めの私立の高校に通うことになっちゃったんです。
受験に失敗して志望校の公立高校に落ちちゃって。
担任の先生からも塾の先生からも“ランクを下げろ”って言われてたのに頑張ってみたくて変えなかったから。」



「教師も塾の先生も安全な道を選ばせてくるからな。
そういう仕事だからそれが正解でもあるかもしれねーけど、それが子どもにとって正解かどうかの判断は難しい。
上を目指そうと自分で決めてその為に頑張ったなら、努力出来たその事実が純粋に良い子だと俺は思うけどな。」



「え、めっちゃ良い人なんですけど・・・。」



「こんな早朝から家の手伝いをしてる子どもに悪いこと言うわけねーだろ!!」



「だって店に入ってきた時にボロボロとか言ってたし。」



「あれは悪口じゃねーよ!!
俺はボロボロの所が好きなんだよ!!」



「そうなんだ!?」



それには大きく笑いながらオジサンを見下ろし、受け取ったメニューを胸に抱きながら言った。



「朝の常連さんには私が作って出してるんです。
作るの私でもいいですか?」



「マジか!!それこそめちゃくちゃ良い子だろ!!
うん、キミでいいよ、作って!!」



「お昼の仕込みが終わった後にお父さんとお母さんを少しでも寝かせたいしね。
私が受験失敗しちゃったせいで夜の営業時間伸ばしたの。
お金は500円で大丈夫なので!!」
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