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それから静かすぎるこの部屋の中で寝たり起きたりを何度も繰り返した。
寝ている時はどこまでも深く意識が沈み、フッと起きる時にはまるで夢の中にいるようで。



あの人からあんなに優しくして貰い、まるでここは夢の中だったのかなと回らない頭で考えて。



熱くて熱くて、身体がこんなにも熱くて。



だからか胸もこんなにも熱くて。



覚めたくないと思ってしまった。



ずっとこの幸せな夢の中にいたいと思ってしまった。



ずっと熱なんて冷めなければいいと思ってしまった。



大人の女になれなくても、大人の女には見えなくても、病人だとあの人はあんなにも口が優しくなるらしい。



口だけではなく全てが優しくなるらしい。



覚めなければいいのに・・・。



冷めなければいいのに・・・。



醒めなければいいのに・・・。






「・・・っこ、千寿子!!」



私の名前を呼ぶ声で目を開けた。
そしたら、いた。
完璧な顔面と髪型、スウェット姿の先生がいた。



おでこに重みを感じ、冷えピタではなく濡れたタオルが置かれていることにやっと気付いた。



「夜飯少しだけ食ってから薬飲んで、それからまた寝た方がいい。」



「うん・・・ありがとう・・・。」



お礼を言うと喉がカラカラなことに気が付いた。
少しだけ上半身を起こすと、先生がポカリを渡してくれた。



「汗すげーな。
身体拭く物と着替え持ってくる。」



甘いポカリを飲みながらその言葉を聞いた。
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