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「・・・うっま。」



久しぶり食べたお粥に思わず先生みたいな言葉を言ってしまった。



「これ味付けなし?梅干しだけ?」



「梅干しだけ。」



「・・・うっま。
おかしいな、私お粥嫌いだったはずなのに。」



「分かる、俺もガキの頃はお粥嫌いだった。」



「今はこんなに老人だし出会った時もオジサンだった先生にもガキの頃があったんだ。」



「あったあった、めちゃくちゃガキの頃な!!」



何故か先生は凄く嬉しそうな顔で笑い、それから私のことを熱いような目で見詰めてきた。



「今も中身はガキのままだよ。
千寿子の前ではガキのまま。」



「それダメなやつじゃん!
身体は老人で中身はガキのままとか!!」



「だな、ダメなやつだよな。
25の若者からすると34とか老人だし。」



「世の中の34歳の人達は別に老人じゃないよ。
でも先生とは先生が25歳の時から知り合いだったから。」



「そうだな・・・って、お前食いすぎ。
無理して全部食わなくていいから!!」



「無理なんてしてないって!!
本当に美味しいんだもん!!」



25歳になるとお粥まで美味しく感じるらしく、先生が作ってくれた初めての料理のお粥を完食した。



「桃缶、うっま~!!」



「熱といったら桃缶だよな!!」



「うちは違った!マイナーなヨーグルト!!
最近もう見掛けなくなったやつ!!」



「ヨーグルト!?
ヨーグルトなんて熱が出てなくても食えるだろ!!」



「そうだけど!!
お父さんが子どもの頃に熱が出ると食べてたやつらしくて、毎回それだったの!!」



「マジか・・・何てやつ?
帰りに買ってくる。」



「え、全然いらない。
お父さんには可哀想だから言わなかったけど、あのヨーグルトそんなに好きじゃなかったし。」



「お父さん可哀想だろ!!」



「だから言ってないってば!!」
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