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先輩のその言葉には何故か焦ってしまい、慌てて口を開いた。
[先輩と2人で凄く楽しかったです!!
ずっといつも、毎週楽しかったです!!]
[当たり前でしょ。]
[はい、なので先輩と2人が嫌なのではなくて!!
俺には婚約者がいて、他の女の子と2人にはならないようにしているので、先輩と2人で出掛けたりとかは出来ません!!]
俺がそう伝えると先輩は少しだけ驚いた顔をした。
「信之は一般家庭だって言ってなかったっけ・・・。
婚約者がいるの?」
日本語で聞かれ、俺は何だかやっぱり焦ってしまう。
「俺の家は一般家庭なんですけど、向こうはそうではないので・・・。」
「そう・・・。
その女の子のことが信之も好きなの?」
そう聞かれ・・・
そう聞かれてしまって・・・
「俺の婚約者も非の打ち所がない女の子です。
大変な家に生まれて小さな頃から俺と結婚することが決まっていて。
俺のことを恋愛として好きではないのに俺よりも強い覚悟を決めていて、そんな女の子とちゃんと向き合いたいと思っています。」
こう答えるしかなかった。
こんな綺麗事を口から出すしかなかった。
いつだってどんな時だって真っ直ぐとした言葉を出すこの先輩に、俺はこんな綺麗事しか口から出せなかった。
「それはつまらない人生ね、信之。」
先輩の真っ直ぐとした言葉がこの胸に痛い程突き刺さった。
真っ直ぐとした言葉を真っ直ぐとした瞳で言われた。
そして、先輩は去っていった。
卒業生だからという理由にしてはやけに沢山の花束を抱え、真っ直ぐと歩き去っていった。
“それはつまらない人生ね、信之。”
そんな言葉を俺に残して去っていった。
楽しくて幸せに感じていた先輩との思い出全てを俺の方にだけ残して去っていった。
“待ってください!!!”
小さくなっていく先輩の後ろ姿に最後のワガママも言えないまま、先輩は去っていった。
[先輩と2人で凄く楽しかったです!!
ずっといつも、毎週楽しかったです!!]
[当たり前でしょ。]
[はい、なので先輩と2人が嫌なのではなくて!!
俺には婚約者がいて、他の女の子と2人にはならないようにしているので、先輩と2人で出掛けたりとかは出来ません!!]
俺がそう伝えると先輩は少しだけ驚いた顔をした。
「信之は一般家庭だって言ってなかったっけ・・・。
婚約者がいるの?」
日本語で聞かれ、俺は何だかやっぱり焦ってしまう。
「俺の家は一般家庭なんですけど、向こうはそうではないので・・・。」
「そう・・・。
その女の子のことが信之も好きなの?」
そう聞かれ・・・
そう聞かれてしまって・・・
「俺の婚約者も非の打ち所がない女の子です。
大変な家に生まれて小さな頃から俺と結婚することが決まっていて。
俺のことを恋愛として好きではないのに俺よりも強い覚悟を決めていて、そんな女の子とちゃんと向き合いたいと思っています。」
こう答えるしかなかった。
こんな綺麗事を口から出すしかなかった。
いつだってどんな時だって真っ直ぐとした言葉を出すこの先輩に、俺はこんな綺麗事しか口から出せなかった。
「それはつまらない人生ね、信之。」
先輩の真っ直ぐとした言葉がこの胸に痛い程突き刺さった。
真っ直ぐとした言葉を真っ直ぐとした瞳で言われた。
そして、先輩は去っていった。
卒業生だからという理由にしてはやけに沢山の花束を抱え、真っ直ぐと歩き去っていった。
“それはつまらない人生ね、信之。”
そんな言葉を俺に残して去っていった。
楽しくて幸せに感じていた先輩との思い出全てを俺の方にだけ残して去っていった。
“待ってください!!!”
小さくなっていく先輩の後ろ姿に最後のワガママも言えないまま、先輩は去っていった。
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