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そんな嬉しい理由で誘ってくれたと知り自然と笑顔になる。



「友達に“やめとけ”って言われるような人なの?」



「お父さんが犯罪者らしいんだよね。
まだ少ししか話を聞いてないけど、それだけでもヤバイことをしてる人で。」



「そうなんだ・・・。」



「その人に凄い気を許しちゃってて、その人と一緒にいるのが楽で幸せだなと思っちゃってて・・・。
でも、その人が私といる時は演技をしてたのが分かったんだよね。
それが分かって・・・好きだったんだなって自覚した。」



海神ちゃんが悩んだ様子で・・・でも恥ずかしそうにその話をしてくれる。
その顔は恋をしている女の子の顔でキラキラと輝いて見えた。



「その人から・・・“好きだ”って告白されて・・・。」



「両想いだったんだ!!」



「でも・・・演技をしてる時の“弟”君が好きだったからな~・・・。」



海神ちゃんがそう言った・・・。



“弟”君と、言った・・・。



私の顔を見た海神ちゃんが可愛く首を傾げた後・・・笑った。



「その人、名前が“弟”っていうんだよね!!
うちらの“神”も凄いけど、“弟”は別の凄さだよね!!」



海神ちゃんが可愛く笑いながらそんなことを言っていて・・・



私は何も言えなくなってしまった・・・。



何も言えなくて・・・



驚いて海神ちゃんを見ることしか出来なくて・・・



「・・・こんな話、急にされても困るよね!!ごめんね!!」



何も言えない私に海神ちゃんが慌てて謝ってきてしまった。
それに私は下を向きながら首を横に振る・・・。



「ごめんね・・・そうじゃなくて、驚いて・・・。
その“弟”さん・・・うちの会社の人だったから・・・。」



「え!?弟君!?」



私は笑いながら顔を上げる。
ちゃんと笑えているかは分からないけど、笑いながら・・・。



「うちの会社に“弟”さんって名前の人がいるよ。
うちの会社、調査会社だし・・・。
弟さんのお父さん・・・詳しくは知らないけど、大きな会社の社長で罪人で・・・社長を引きずり下されて・・・。」



「え~・・・そうだと思う・・・。
腹違いのきょうだい9人いたりする?」



そう聞かれ、笑いながら頷いた。
笑えているか分からないけど、笑いながら頷いた。



「弟君・・・星神ちゃんのこと知ってたんだ・・・。
やっぱり、色んなことを隠してるんだろうなー・・・。」



海神ちゃんがそう言って、苦笑いをした。



「弟君に星神ちゃんから貰った名刺を見せたら少し様子が変わって、知り合いなのかと思って聞いてみても“知らない”って言ってたんだよね。」
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