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海神ちゃんが尾行までしていたことに驚きながら少し思い出す。



「会社の先輩が言うには、調査対象者の行動を把握してから張り込みとかするみたいだよ?」



「そうなの!?」



「同じ会社の人なら周りの人も知ってると思うから、気付かれないように聞いてみたら?
噂好きの人からの情報が役に立つこともあるらしいから。
あとは経費の申請額が多い時の利用してるお店とか接待してる相手とかを調べてみるとか・・・。」



箕輪さんから聞いた話や社長や弟さんから少し聞いただけの話だけど、海神ちゃんにそう言ってみた。
海神ちゃんは私からの話に目を輝かせて頷いている。



「ちょっとやってみる!!ありがとう!!
お兄ちゃんはもう探偵じゃないから仕方ないけど、友達なんて現役なのに“危ない”の一点張りでさ・・・。」



「現役の人が言うなら本当に危ないのかも・・・。
うちの会社の人もギリギリの調査をしてるみたいだから、素人には危ないのかもね。」



「そんなに本格的にやるわけじゃなくて、ただどんな風にお金を使ってるのか調べるだけなんだけどね~・・・。」



海神ちゃんは少し怒った顔でお酒を飲んだ後、ゆっくりと私を見た。



「恥ずかしいんだけどさ、私27で誰とも付き合ったことがなくて。」



こんなに可愛くて話しやすい海神ちゃんがそうなのだと知り驚くしかない。



「海神ちゃんがそうなのはビックリだね。
・・・わたしはこんな感じだから、わたしも誰とも付き合ったことがないよ。」



「それこそビックリ・・・!!
好きな人はいたことある?」



「うん・・・。」



恥ずかしいけど正直に答えると、海神ちゃんは可愛い顔で笑った。



「私は初恋もまだだと思ってたけど、昨日初恋をしてたことを自覚して・・・。」



「昨日!!そうなんだ~!!」



「だから誰かに話したくて。
友達に話すとハッキリしてる子ばっかりだから“そんな人やめとけ”とか言われそうで。
星神ちゃんならそういうことは言わない子だろうなと思って、今日誘っちゃった!」
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