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暗くなるはずの寝室・・・。
遮光カーテンじゃないのか、都内の明かりが部屋の中にも入り、ぼんやりと明るい。
「水沢さん・・・」
ベッドに腰を掛ける青田さんがわたしを呼び・・・
少し距離を空けた所に立つ、青田さんの大きなTシャツを着ているわたしを見詰める。
そして、待っている・・・
待っていてくれる・・・
わたしが、青田さんの元に辿り着くのを・・・。
どのくらい長い間、この状態でいたのか分からない。
それでも、青田さんは何も言わず・・・
ジッと、わたしを待ち続けている・・・。
わたしは、小さく、一歩を踏み出した。
そして、時間を掛けて、また一歩・・・
一歩・・・
一歩・・・
「ハァッ・・・」
ベッドに腰を掛けた、青田さんが開いた足の中・・・長い時間を掛けて辿り着いた。
溜め息を吐いたわたしの両手を、青田さんの大きな両手が温かく包んでくれた。
それでも・・・
強張る身体・・・
怖くて・・・
怖くて・・・
心が、守ろうとしてしまう・・・
わたしの心が、必死に・・・
わたしの身体を守ろうとしてしまう・・・
ずっとずっと、そうやって闘ってきたから・・・
ずっとずっと、そうやって、この身体を守ってきたから・・・
わたしの、精一杯のプライドが・・・。
「今日は、ここまで。」
青田さんの優しい声が、聞こえた。
無意識に閉じていた目を、ゆっくりと開く。
暗くてよく表情は見えない。
「身体だけでするもんじゃねーから。」
わたしの両手が少しだけ強く握られる。
「心で・・・」
温かい青田さんの両手と、優しい青田さんの声が・・・
わたしの心を覆っているプライドを、少しだけ、ほんの少しだけ、剥がしていく・・・
「心でも、するもんだから。」
遮光カーテンじゃないのか、都内の明かりが部屋の中にも入り、ぼんやりと明るい。
「水沢さん・・・」
ベッドに腰を掛ける青田さんがわたしを呼び・・・
少し距離を空けた所に立つ、青田さんの大きなTシャツを着ているわたしを見詰める。
そして、待っている・・・
待っていてくれる・・・
わたしが、青田さんの元に辿り着くのを・・・。
どのくらい長い間、この状態でいたのか分からない。
それでも、青田さんは何も言わず・・・
ジッと、わたしを待ち続けている・・・。
わたしは、小さく、一歩を踏み出した。
そして、時間を掛けて、また一歩・・・
一歩・・・
一歩・・・
「ハァッ・・・」
ベッドに腰を掛けた、青田さんが開いた足の中・・・長い時間を掛けて辿り着いた。
溜め息を吐いたわたしの両手を、青田さんの大きな両手が温かく包んでくれた。
それでも・・・
強張る身体・・・
怖くて・・・
怖くて・・・
心が、守ろうとしてしまう・・・
わたしの心が、必死に・・・
わたしの身体を守ろうとしてしまう・・・
ずっとずっと、そうやって闘ってきたから・・・
ずっとずっと、そうやって、この身体を守ってきたから・・・
わたしの、精一杯のプライドが・・・。
「今日は、ここまで。」
青田さんの優しい声が、聞こえた。
無意識に閉じていた目を、ゆっくりと開く。
暗くてよく表情は見えない。
「身体だけでするもんじゃねーから。」
わたしの両手が少しだけ強く握られる。
「心で・・・」
温かい青田さんの両手と、優しい青田さんの声が・・・
わたしの心を覆っているプライドを、少しだけ、ほんの少しだけ、剥がしていく・・・
「心でも、するもんだから。」
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