【完】大きなアナタと小さなわたしのちっぽけなプライド(他サイトカットページ掲載済)

Bu-cha

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1階上の、10階まで上がり・・・



扉が開いた・・・



扉の前に立っていた人を見て、わたしは固まった。



「藤岡副社長!お疲れ様です!!」



隣に立っていた青田さんが、ハキハキと挨拶をする。



「お疲れ様です!」



と、わたしも慌てて挨拶をする。



「健吾君、僕に何か用だった?」



伝説の副社長が、まさかの“健吾君”呼び・・・。



「いえ、水沢さんに渡した資料の説明をしながらエレベーターに乗ったら、ボタン押すの忘れてました!」



「水沢さん?」



大きな青田さんの影にいるわたしをチラッと見ながら、伝説の副社長がエレベーターに乗ってきた。



「何階ですか?」



「1階、・・・ありがとう。」



伝説の副社長が、またわたしを見てきた。



「水沢さんって、もしかして経理部の?」



「・・・はい!」



まさかの、わたしの存在を知っている!



「そうなんだ、こんなに可愛らしい子だったんだ。
忘年会での受賞者の話し合いの時、色んな部署の役職者が水沢さんの名前上げてたよ?」



「そう・・・だったんですか、嬉しいです!」



そう言ったわたしに、伝説の副社長は、アーモンドみたいな形をした綺麗な目でわたしを見詰めた。



そして、何故かクスッと笑われ・・・



「キミ、ちょっと僕みたいな子なんだ?」



そんな、意味深な、訳の分からないことを言われて・・・



「・・・あ、そうなの、そっか・・・」



と、青田さんとわたしを交互に見て、面白そうに笑って1階で降りていった・・・。




「青田さんって、伝説の副社長と知り合いなんですか?」



「忘年会でMVPとって、受賞者だけの食事会あってさ。
その時に、なんか俺のこと面白がって。」



「・・・青田さん、面白いもんね。」



そう言って笑った時、またエレベーターの扉が閉まっていく。
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