【完】大きなアナタと小さなわたしのちっぽけなプライド(他サイトカットページ掲載済)

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社会人1年目 春



「水沢さん、配属おめでと～！かんぱ～い！」



経理部の歓迎会、わたしのためにみんなが出席してくれた。
みんなと言っても、岸部長、宮本さん、パートの女の人3人と・・・



「私はあと2ヶ月だけど。
こんなに可愛い後輩が入ってくるなら、もっと会社にいたかったな～。」



そう言って優しく笑ってくれる5歳上の女の人。
旦那さんの転勤により、あと2ヶ月で退職することになっている。



「新卒で大変だと思うけど、なるべくしっかり教えていく。大丈夫かな？」



そう言って真っ直ぐわたしを見詰めてくれた麻美(あさみ)先輩。
この先輩のたった2ヶ月の教育は、わたしに社会人としての基礎・会社の人間関係の構築・外部の人との仕事の進め方・・・
そして、経理の人間としての数字の向き合い方を教え込んでくれた、忘れられない先輩になった。



「中途で経験者を1人採用する予定だから、そこまで心配しないでね。
普段は定時とか19時過ぎには帰れてるし、繁忙期も21時過ぎには帰れてるし。
月末と決算、年末はやっぱり繁忙期なんだけどね・・・。」



そう言って笑う岸部長、穏やかで優しい部署の人達に、わたしは新しい環境が始まっていく期待の方が大きかった。