【完】初めてのベッドの上で珈琲を(カットページ掲載済2023.5.13)

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バージンの笠原さん・・・瞳は突然入ってきた俺に驚いて、でも可愛い上目遣いで何度も瞬きをしてきた。



それに笑いかけながら、言う。



「カフェのバイトしかしていなくても、瞳は良い女だよ。
それに凄い可愛い。
こんなに良い女で可愛い女の子を私は久しぶりに見た。」



本当にそう思った。
ヒーローのお姉ちゃんに何となく似ていると思った。
見た目とかではなく、“柔らかいのに強い”・・・
そんな感じが似ている良い女で・・・
可愛い“女の子”だと思った。



ヒーローの“お姉ちゃん”は“女”になっているから。



だから、こんなに良い女で、こんなに可愛い“女の子”を本当に久しぶりに見た。
久しぶりに昔のヒーローのお姉ちゃんに会えたような気がした。



“俺”を救い出してくれた時のヒーローのお姉ちゃんに、会えたような気がした。



良い女で可愛い“女の子”の瞳に笑いかけると、瞳は可愛い上目遣いで何度も何度も瞬きをして“アヤメ”を見た。



それに笑ってから、ホットミルクを隣に立つ男に差し出す。



「こんなに可愛い女の子を困らせちゃダメだよ？
せっかく格好良い顔をしているのに勿体ない。
これ飲んで、少し落ち着いて？」



男は真っ赤な顔で、デレッと照れたような顔で“アヤメ”を見てホットミルクを受け取った。



その男にも笑いかけた後、瞳をもう1度だけ見る。



「バイト、頑張ってね。」



そう最後に言ってからカフェを出た・・・。




少しだけ・・・




少しだけ・・・




強くなれた気がした・・・。




少しだけ・・・




少しだけ・・・




あの子の、瞳のヒーローになれたような気がした・・・。




“アヤメ”の姿だったけれど・・・




心は“剛士”だから・・・。




小さな頃からヒーローには憧れていたから・・・。




ヒーローになりたかった。




“俺”は本当は、“女”ではなくてヒーローになりたかったから・・・。