【完】初めてのベッドの上で珈琲を(カットページ掲載済2023.5.13)

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そう思いながら入った。
そんな決意をしながら、カフェの扉を開き・・・入った・・・。



そしたら、店内は驚くほど混んでいた。
席は全て埋まっているし、カウンター席については1つも席を開けずにギッシリ座られていて・・・。



そこまでして何かを注文したくはなかったので、店を出ようと思った。



店を出ようと思った時、カウンターで注文を受けていた女が出入口で少し立ち止まってしまっていた俺の方を見た。



俺の方を見た後に驚いた顔をした後に、上目遣いになって一瞬だけよく見られたような気がした。



その時の顔がやけに可愛くて・・・。
思わず“アヤメ”ではなく“俺”が笑いそうになった。



少しだけ店員のその女に興味が湧いたので、軽い気持ちで列に並んだ。



軽い気持ちで並んでいたら会話が聞こえた・・・。



その女の店員が客と話す会話が聞こえた。




「今日から2日間、出張って言ってましたよね？
今回は朝からじゃないんですね。」



「結構前の会話なのによく覚えてるね！
家に持ち帰れない資料があって、それを会社に取りに来たんだよ。
今から新幹線に乗って行くから、その前に珈琲！」



「今回は珈琲にしますか？
カフェオレをご注文された時の出張は毎回上手くいっているはずですけど・・・。」



「・・・そうなの？」



「私が聞いた限りですけど。」



「じゃあ・・・カフェオレにしてみようかな。ホットで。」



「はい！」



女の店員と客がそんな会話をしていて・・・
次の客とも次の客ともそんな会話をしていて・・・。



この店舗に客が多いのが、立地条件やチェーン店のカフェという話だけでないのは分かった。



そして、“アヤメ”の番になった。
“俺”はカウンター越しに向かい合った女を見て吹き出しそうになった。



それくらい、どこをどう見てもバージンの“女の子”だった。
バージンでも女っぽい女はいくらでもいるのに、この女はどこをどう見てもバージンで・・・。



それも“幼女”のようにも見えるし、“少女”のようにも見える、不思議なバージンの“女の子”だった。



そのバージンの“女の子”のネームプレートを見ると、“笠原”と書いてあった。



バージンの笠原さんがやけに可愛い顔で上目遣いをし、俺に・・・“アヤメ”に何度も瞬きをした。



その時の顔は・・・正直めちゃくちゃ可愛かった。
めちゃくちゃ可愛かったし、不思議とよく見られているような感覚にもなって少しだけ怖いようにも思った。



「ホットコーヒーをテイクアウトで1つ。
・・・1番小さいサイズで。」



コーヒーをどういう風に頼んでいいのかもよく分からなかったので、そう注文した。
そしたら、バージンの笠原さんがまた“アヤメ”を見て・・・今回は瞬きを1回だけして・・・



「あの・・・無理にコーヒーでなくても・・・。
コーヒー以外もありますよ？
紅茶もありますし、ココアなどもありますし・・・。」



そんなことを言った・・・。
何でかはよく分からなかったけど、そんなことを言った・・・。



それに驚いていると、バージンの笠原さんは可愛い笑顔で笑いながら俺を見て・・・



自分の口元を少しだけ触り・・・



「牛乳飲みました？
少しだけ上唇の上についてます。」



と、クスクスと笑いながら言ってきて・・・
俺は・・・“アヤメ”は自分の口元を指先で同じように少しだけ触れた。



「じゃあ・・・牛乳はある？
ホットで・・・。」



さっきの忍者から出されたホットミルクを思い出し、美味しかったのでまた飲みたいと思った。



「牛乳は小さなサイズなどはありませんが、よろしいですか？」



バージンの笠原さんがカップを1つ持ち、“アヤメ”に見せた。
それを見て少しだけ悩む・・・。



牛乳は脂質も多いからあまり飲まないようにしているから。



「同じ値段出すから、小さいカップに少しだけ入れてくれない？」



“アヤメ”がそう言うと、バージンの笠原さんは可愛い笑顔で・・・上目遣いで何度も瞬きを繰り返した。