【完】初めてのベッドの上で珈琲を(カットページ掲載済2023.5.13)

Bu-cha

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その日の定時後・・・



「今日の報告書、どう書いたらいいのか・・・。」



ガチガチの手でパソコンの前で固まっていると、剛士君がナチュラルに・・・



「全部報告すればいいだろ?」



そんなことを言ってきて・・・。
あのお昼の出来事を全て報告書に入力出来るか不安になっていたら、剛士君が私の腕を優しく引き椅子を立たせた。



不思議に思っていると、剛士君が人事部に残っていた数人に声を掛けた・・・。



「先に言っておくけど、イチャイチャするわけじゃねーからな!!!」



そんなことを言って、何かと思ったら・・・



「あの・・・?」



剛士君が先に椅子に座り、広げた足の間に私を座らせた・・・。
そして、私の後ろから両手を伸ばしキーボードに広げた指をのせる・・・。



「仕事中にそんなエロい顔すんなよ!!」



面白そうな声で笑われてしまい、私は両手で自分の顔を隠す・・・。



「目だけでも隠すな、見とけ。
瞳が撮った写真を言葉で説明したのを、俺が入力する。
パソコンの画面と俺の指を交互に何度も見ておけ。
で、覚えろ。」



「そんなこと、出来るかな・・・。」



「やってみるだけやってみよーぜ。
どの写真を選んだら未来が幸せになってるかなんて、今は分からねーからな。」



「うん・・・。」



私が前言ったオババからの言葉を剛士君に言われ、私は今が1番幸せな顔でいられる写真を選んだ・・・。



そして、写真を現像する。
私の瞳のレンズで撮った写真を現像する。



言葉でだけど、現像する。
私は思い出せるから。
鮮明に思い出せるから。



その時の場面も、その時の状況も、その時のその人の微妙な表情も、その時に聞こえた音も、匂いも、言葉も・・・。



全て、全てを思い出せるから・・・。



私の瞳のレンズで写真を撮って、その写真を思い出す時・・・



私はタイムマシーンに乗れる。



本当の時は戻せないけれど、



私の瞳で撮った写真は鮮明に思い出せ、



その瞬間を鮮明に思い出せる・・・。



まるで、タイムマシーンに乗って過去に戻ったかのように・・・



鮮明に思い出せる・・・。
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