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部屋着に着替えてから安いスキンケア用品でスキンケアをし、ドライヤーで髪の毛を乾かした・・・。
鏡に映る私は・・・30歳だし化粧もしていないし、部屋着だし・・・。
可愛くは全然ないけれど、これが“私”。
素顔の私だから、これでいいと思う。
お風呂場から出ると、すぐに美味しそうな匂いが。
リビングに行くとダイニングテーブルには料理が並べてある。
「タコライス!?」
「ひき肉あったからな。」
「盛り付けも可愛いね!
家でタコライス食べられるんだ~!!」
可愛く盛り付けされたタコライスと野菜が沢山入ったスープ、それとキレイにカットされた桃・・・。
この前は朝食だったから私が作る料理と同じようなメニューだったけど、剛士君がここまで料理上手だとは驚く。
「こういう料理は姉貴が作れるんだよ。
この前の朝飯は兄貴の方。
もっと家庭料理みたいな感じのは養子縁組してくれた母親とその旦那が作れる。」
「毎日色んなご飯が食べられて嬉しいね!」
「中学からは兄貴と2人暮らしだったけどな。
姉貴も、養子縁組してくれた母親とその旦那もよく来てくれて飯作ってくれてた。
三食ちゃんと食わねーと死ぬから。」
剛士君は笑いながらだけど真剣な顔で言う・・・。
それを瞬きをしながら見てから頷いた。
タコライスもスープも桃も全てを美味しく食べさせてもらい、食器洗いは勿論私がした。
その間も楽しく雑談をしていたら急に剛士君が静かになった。
見てみると・・・仏壇の前に立っている。
「瞳って、お母さんにもおばあちゃんにもお父さんにもあんまり似てないよな。
写真見るとおじいちゃんにも似てねーし。」
「全部ごちゃ混ぜになったんじゃない?
パーツごとで見ると似てるパーツがあるから。」
「そうか・・・。
俺のきょうだいは全員が母親か父親の顔をそのままコピーしたような顔なんだよな。」
「木葉さんも格好良いもんね。
剛士君とは違う格好良さだけど。」
「俺は姉貴と似てる。
母親は違うけど母親同士が似てるんだろうな。」
「クラブの着物の人がお姉さんのお母さん?
あの人と剛士君の顔のパーツがなんとなく似てた。」
洗い物が終わり水を止めると、剛士君が大きな声で笑った。
「よく分かるな、すげーよ!!」
笑っている剛士君を瞬きをしながら見て、私も仏壇の前へ。
剛士君を見上げると寂しそうな顔をしている。
「写真屋の、カメラマンの娘で羨ましいな・・・。
俺には母親の写真が1枚もないから。
俺の家には写真を撮るなんていう習慣もなければカメラもスマホもなかったから。
俺が小学校に入る直前に入院をして、1年生の夏休みに入ってすぐに死んだ。」
初めて聞く話に、瞬きを何度もしながら仏壇を眺め続ける剛士君を見上げる。
「入院中の病室にも行けなかったし、死んだ時も会えなかった。
葬式にも出てない。
やったのかも知らない。
墓がどこかも、あるのかも知らない。
仏壇もなければ写真1枚もない。」
そんな話を剛士君は小さく笑いながらする・・・。
「顔も覚えてない。
俺は母親の顔も覚えてない・・・。」
剛士君が小さく笑いながら仏壇から視線を移し、私を見下ろした。
そして、私の頬を片手で優しく包む・・・。
親指で私の瞼をソッと撫でながら優しい笑顔で笑い掛けるのを、私は片目で何度も瞬きをした。
「瞳は写真屋の娘で、カメラマンの娘で羨ましい・・・。
でも、俺だったら辛すぎて死んでたな・・・。
だから瞳が写真屋の娘で、カメラマンの娘で良かった。」
鏡に映る私は・・・30歳だし化粧もしていないし、部屋着だし・・・。
可愛くは全然ないけれど、これが“私”。
素顔の私だから、これでいいと思う。
お風呂場から出ると、すぐに美味しそうな匂いが。
リビングに行くとダイニングテーブルには料理が並べてある。
「タコライス!?」
「ひき肉あったからな。」
「盛り付けも可愛いね!
家でタコライス食べられるんだ~!!」
可愛く盛り付けされたタコライスと野菜が沢山入ったスープ、それとキレイにカットされた桃・・・。
この前は朝食だったから私が作る料理と同じようなメニューだったけど、剛士君がここまで料理上手だとは驚く。
「こういう料理は姉貴が作れるんだよ。
この前の朝飯は兄貴の方。
もっと家庭料理みたいな感じのは養子縁組してくれた母親とその旦那が作れる。」
「毎日色んなご飯が食べられて嬉しいね!」
「中学からは兄貴と2人暮らしだったけどな。
姉貴も、養子縁組してくれた母親とその旦那もよく来てくれて飯作ってくれてた。
三食ちゃんと食わねーと死ぬから。」
剛士君は笑いながらだけど真剣な顔で言う・・・。
それを瞬きをしながら見てから頷いた。
タコライスもスープも桃も全てを美味しく食べさせてもらい、食器洗いは勿論私がした。
その間も楽しく雑談をしていたら急に剛士君が静かになった。
見てみると・・・仏壇の前に立っている。
「瞳って、お母さんにもおばあちゃんにもお父さんにもあんまり似てないよな。
写真見るとおじいちゃんにも似てねーし。」
「全部ごちゃ混ぜになったんじゃない?
パーツごとで見ると似てるパーツがあるから。」
「そうか・・・。
俺のきょうだいは全員が母親か父親の顔をそのままコピーしたような顔なんだよな。」
「木葉さんも格好良いもんね。
剛士君とは違う格好良さだけど。」
「俺は姉貴と似てる。
母親は違うけど母親同士が似てるんだろうな。」
「クラブの着物の人がお姉さんのお母さん?
あの人と剛士君の顔のパーツがなんとなく似てた。」
洗い物が終わり水を止めると、剛士君が大きな声で笑った。
「よく分かるな、すげーよ!!」
笑っている剛士君を瞬きをしながら見て、私も仏壇の前へ。
剛士君を見上げると寂しそうな顔をしている。
「写真屋の、カメラマンの娘で羨ましいな・・・。
俺には母親の写真が1枚もないから。
俺の家には写真を撮るなんていう習慣もなければカメラもスマホもなかったから。
俺が小学校に入る直前に入院をして、1年生の夏休みに入ってすぐに死んだ。」
初めて聞く話に、瞬きを何度もしながら仏壇を眺め続ける剛士君を見上げる。
「入院中の病室にも行けなかったし、死んだ時も会えなかった。
葬式にも出てない。
やったのかも知らない。
墓がどこかも、あるのかも知らない。
仏壇もなければ写真1枚もない。」
そんな話を剛士君は小さく笑いながらする・・・。
「顔も覚えてない。
俺は母親の顔も覚えてない・・・。」
剛士君が小さく笑いながら仏壇から視線を移し、私を見下ろした。
そして、私の頬を片手で優しく包む・・・。
親指で私の瞼をソッと撫でながら優しい笑顔で笑い掛けるのを、私は片目で何度も瞬きをした。
「瞳は写真屋の娘で、カメラマンの娘で羨ましい・・・。
でも、俺だったら辛すぎて死んでたな・・・。
だから瞳が写真屋の娘で、カメラマンの娘で良かった。」
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