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昼休みはお昼時間中にとっていいことになっていて・・・というよりも、むしろ食堂で過ごすようにしている。
珈琲店に来店しない社員の方達も多くいるから、食堂やデリバリーの時に社員の方達をよく見るようにしている。
今日も地味だけど美味しいお弁当を食べ、おにぎりをアムッと食べると・・・
シャッターの音が聞こえた。
音の方を見ると天野さんで・・・。
スマホで撮ったであろう写真を確認しながら真面目な顔をしていた。
そして私の隣の席に座り、トレーにのったカツカレーを食べ始める。
営業の男性がよく食べているメニューの1つなのは私も知っていた。
それをモリモリと食べる天野さんを見て、自然と笑顔になった。
天野さんは私を少しだけ見てから・・・視線を逸らした。
「お前、何かやった?」
「何かですか・・・?」
「何で急にそんなに女っぽくなってんの?」
「・・・え!!??」
私が大きな声でリアクションをしてしまったので、食堂にいた数人がこっちを見てしまった・・・。
その人達に小さくお辞儀をしてから、天野さんの方を見る。
「私・・・女っぽいですか?」
「・・・何やった?あいつ?」
「あいつ・・・?」
「お前のこと狙ってる奴。
何かされた?」
そんな誤解をされていて、首を必死に横に振る。
「木葉さんに・・・。」
「明・・・?
あいつは男みてーだけど女と出来ねーだろ。」
「えっと・・・あの、輸血をしていただいて。」
私がそう言うと天野さんが珍しく驚き、面白そうな顔で・・・どこか懐かしそうな顔で笑った。
「“少しの女らしさ”輸血されたのか。」
「はい・・・。」
「でも“少し”どころか多く入ったな。
明・・・少しじゃなくて多くの女らしさの血が流れ始めたか。」
天野さんが嬉しそうな笑顔で私を見詰める・・・。
そして私の右手を優しく取り、二の腕に指をソッと添えた。
「俺も輸血してやるよ。」
そう言われ・・・私は自分の二の腕に添えられた天野さんの綺麗な指・・・でも男の人の指を見る・・・。
そして、瞬きをした・・・
「“少しの度胸”を輸血した。」
その瞬間と天野さんの言葉を・・・私は記憶した。
珈琲店に来店しない社員の方達も多くいるから、食堂やデリバリーの時に社員の方達をよく見るようにしている。
今日も地味だけど美味しいお弁当を食べ、おにぎりをアムッと食べると・・・
シャッターの音が聞こえた。
音の方を見ると天野さんで・・・。
スマホで撮ったであろう写真を確認しながら真面目な顔をしていた。
そして私の隣の席に座り、トレーにのったカツカレーを食べ始める。
営業の男性がよく食べているメニューの1つなのは私も知っていた。
それをモリモリと食べる天野さんを見て、自然と笑顔になった。
天野さんは私を少しだけ見てから・・・視線を逸らした。
「お前、何かやった?」
「何かですか・・・?」
「何で急にそんなに女っぽくなってんの?」
「・・・え!!??」
私が大きな声でリアクションをしてしまったので、食堂にいた数人がこっちを見てしまった・・・。
その人達に小さくお辞儀をしてから、天野さんの方を見る。
「私・・・女っぽいですか?」
「・・・何やった?あいつ?」
「あいつ・・・?」
「お前のこと狙ってる奴。
何かされた?」
そんな誤解をされていて、首を必死に横に振る。
「木葉さんに・・・。」
「明・・・?
あいつは男みてーだけど女と出来ねーだろ。」
「えっと・・・あの、輸血をしていただいて。」
私がそう言うと天野さんが珍しく驚き、面白そうな顔で・・・どこか懐かしそうな顔で笑った。
「“少しの女らしさ”輸血されたのか。」
「はい・・・。」
「でも“少し”どころか多く入ったな。
明・・・少しじゃなくて多くの女らしさの血が流れ始めたか。」
天野さんが嬉しそうな笑顔で私を見詰める・・・。
そして私の右手を優しく取り、二の腕に指をソッと添えた。
「俺も輸血してやるよ。」
そう言われ・・・私は自分の二の腕に添えられた天野さんの綺麗な指・・・でも男の人の指を見る・・・。
そして、瞬きをした・・・
「“少しの度胸”を輸血した。」
その瞬間と天野さんの言葉を・・・私は記憶した。
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