29 / 122
4
4-1
しおりを挟む
月曜日
真夏の暑い日差しの中出勤し、人事部の部屋に入る頃には汗だくだった。
ハンカチで汗を拭きながら挨拶をして自分のデスクへ。
それから紙袋に入れた天野さんからお借りしたブラジャーとブラウスを確認し、天野さんのデスクに・・・。
「天野さん、これありがとうございました。」
「ん・・・。」
天野さんが中身を少し見てからデスクの影になる所に置いた。
そんな天野さんを瞬きをしながら見て、私は珈琲店の方へと向かう。
その私の後ろから・・・
「笠原さん!」
木葉さんが追いかけるようについてきた。
珈琲店の掃除を木葉さんも一緒にしてくれる。
しばらく明るく雑談していたら、すごいナチュラルに・・・
「剛士、何かあった?」
と、聞かれた。
明るく笑う木葉さんを瞬きをしながら見て・・・
「傷痕が痛むのかもしれません・・・。」
そう伝えると木葉さんが明るく笑った。
「傷痕って痒くなったり痛くなったりするんだよね~!!
土曜日、久しぶりに死にそうな顔で剛士がうちに来たよ!!」
「土曜日・・・。」
「笠原さんと一緒にいたって言うわりには死にそうな顔してた~!!
もう剛士とエッチしたの?」
「・・・してませんよ!!」
「そうなんだ!!
エッチしちゃったから剛士死にそうなのかと思っちゃった!!」
木葉さんがそんなことを言って、意味が分からなかったので私は次の言葉を待った。
「剛士、処女じゃない子とエッチ出来ないからさ!!
笠原さんが処女じゃなくなって絶望したのかと思って~!!」
そう言って木葉さんは大笑いしている・・・。
「あの・・・私、処女ではなくて・・・」
恥ずかしいけれど、木葉さんに伝える。
そんな私に木葉さんは優しい笑顔を向けてくれた。
「ありがとうね。
本当に、ありがとう。」
「えっと・・・?」
「でも!!笠原さんの処女を自分で奪った後、剛士どうすんだろ~!!」
「あの・・・天野さんって、なんでそうなんですか・・・?」
噂は本当らしいので、木葉さんに聞いてみた。
「思春期に、大好きな女のエッチ中の声を聞いちゃったからじゃない?」
「そんなことが・・・」
「大好きな女が自分以外の男とエッチしてる時の声なんて、ショックだし興奮するしでグチャグチャの感情だったんじゃない?
処女だと余裕なくてあんな声も出ないからいいんじゃないの?たぶんだけどね。」
「声が嫌なんですか・・・?」
「その声とか感じちゃってる女の子の反応とかで、大好きな女と重ねちゃう自分が嫌なんじゃない?」
「それだけ好きだったんですね、お姉さんのことが・・・。」
私が小さな声で言うと、木葉さんが驚いた顔をした。
「そんなことまで知ってるの~?」
「・・・え!?
はい、教えてもらって・・・。」
「ちなみに、お兄ちゃんのことも大好きだったけどね~!!
3人でしたかったくらい本気で2人のことを愛してたんだよね!!
出来てたら吹っ切れたのかもしれないけど、出来なかったから逆に辛いのかもね。」
木葉さんが優しく笑いながら私の目の前に立った。
女性だけれど格好良く整う顔を見てドキドキしてしまう・・・。
「よく考えてみれば、そうか・・・。
剛士を見付けたのは笠原さんだけだもんね。」
「え・・・?」
「良い女だね。
これから極上になれる良い女。」
「えっと・・・?」
「輸血、してあげようか。」
木葉さんがそう言いながら私の左腕を持った。
真夏の暑い日差しの中出勤し、人事部の部屋に入る頃には汗だくだった。
ハンカチで汗を拭きながら挨拶をして自分のデスクへ。
それから紙袋に入れた天野さんからお借りしたブラジャーとブラウスを確認し、天野さんのデスクに・・・。
「天野さん、これありがとうございました。」
「ん・・・。」
天野さんが中身を少し見てからデスクの影になる所に置いた。
そんな天野さんを瞬きをしながら見て、私は珈琲店の方へと向かう。
その私の後ろから・・・
「笠原さん!」
木葉さんが追いかけるようについてきた。
珈琲店の掃除を木葉さんも一緒にしてくれる。
しばらく明るく雑談していたら、すごいナチュラルに・・・
「剛士、何かあった?」
と、聞かれた。
明るく笑う木葉さんを瞬きをしながら見て・・・
「傷痕が痛むのかもしれません・・・。」
そう伝えると木葉さんが明るく笑った。
「傷痕って痒くなったり痛くなったりするんだよね~!!
土曜日、久しぶりに死にそうな顔で剛士がうちに来たよ!!」
「土曜日・・・。」
「笠原さんと一緒にいたって言うわりには死にそうな顔してた~!!
もう剛士とエッチしたの?」
「・・・してませんよ!!」
「そうなんだ!!
エッチしちゃったから剛士死にそうなのかと思っちゃった!!」
木葉さんがそんなことを言って、意味が分からなかったので私は次の言葉を待った。
「剛士、処女じゃない子とエッチ出来ないからさ!!
笠原さんが処女じゃなくなって絶望したのかと思って~!!」
そう言って木葉さんは大笑いしている・・・。
「あの・・・私、処女ではなくて・・・」
恥ずかしいけれど、木葉さんに伝える。
そんな私に木葉さんは優しい笑顔を向けてくれた。
「ありがとうね。
本当に、ありがとう。」
「えっと・・・?」
「でも!!笠原さんの処女を自分で奪った後、剛士どうすんだろ~!!」
「あの・・・天野さんって、なんでそうなんですか・・・?」
噂は本当らしいので、木葉さんに聞いてみた。
「思春期に、大好きな女のエッチ中の声を聞いちゃったからじゃない?」
「そんなことが・・・」
「大好きな女が自分以外の男とエッチしてる時の声なんて、ショックだし興奮するしでグチャグチャの感情だったんじゃない?
処女だと余裕なくてあんな声も出ないからいいんじゃないの?たぶんだけどね。」
「声が嫌なんですか・・・?」
「その声とか感じちゃってる女の子の反応とかで、大好きな女と重ねちゃう自分が嫌なんじゃない?」
「それだけ好きだったんですね、お姉さんのことが・・・。」
私が小さな声で言うと、木葉さんが驚いた顔をした。
「そんなことまで知ってるの~?」
「・・・え!?
はい、教えてもらって・・・。」
「ちなみに、お兄ちゃんのことも大好きだったけどね~!!
3人でしたかったくらい本気で2人のことを愛してたんだよね!!
出来てたら吹っ切れたのかもしれないけど、出来なかったから逆に辛いのかもね。」
木葉さんが優しく笑いながら私の目の前に立った。
女性だけれど格好良く整う顔を見てドキドキしてしまう・・・。
「よく考えてみれば、そうか・・・。
剛士を見付けたのは笠原さんだけだもんね。」
「え・・・?」
「良い女だね。
これから極上になれる良い女。」
「えっと・・・?」
「輸血、してあげようか。」
木葉さんがそう言いながら私の左腕を持った。
0
お気に入りに追加
31
あなたにおすすめの小説


社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

禁断溺愛
流月るる
恋愛
親同士の結婚により、中学三年生の時に湯浅製薬の御曹司・巧と義兄妹になった真尋。新しい家族と一緒に暮らし始めた彼女は、義兄から独占欲を滲ませた態度を取られるようになる。そんな義兄の様子に、真尋の心は揺れ続けて月日は流れ――真尋は、就職を区切りに彼への想いを断ち切るため、義父との養子縁組を解消し、ひっそりと実家を出た。しかし、ほどなくして海外赴任から戻った巧に、その事実を知られてしまう。当然のごとく義兄は大激怒で真尋のマンションに押しかけ、「赤の他人になったのなら、もう遠慮する必要はないな」と、甘く淫らに懐柔してきて……? 切なくて心が甘く疼く大人のエターナル・ラブ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる