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私がお礼を言うと天野さんが面白そうな顔で笑う。
「カフェの正社員の誘いも断って、バイトのままあの店舗に居続けた奴なんてお前くらいだろ。」
「私が生きてきた中で・・・1番素敵な写真が撮れたお店だったから。」
「写真屋の娘だな。」
天野さんが大笑いをしながらリビングの中を見渡す。
そこには・・・沢山の写真が飾られている。
お母さんの笑顔・・・
オババの笑顔・・・
私の笑顔・・・。
それだけじゃなくて、怒っている顔も泣いている顔も悔しがっている顔も・・・。
そして・・・
「これ、ブレすぎだろ!!」
天野さんがいくつかあるブレた写真を見て笑っている。
「それはお母さんが撮ったお父さんで・・・。
そっちのは私が撮ったお父さんです・・・。」
「どうしたんだよ、カメラマンの娘!!」
「カメラ全然上手くならなくて・・・。
勿論、スマホでも上手く取れません。」
「・・・そんなわけねーだろ。
スマホは誰でもそれなりに撮れるだろ。」
天野さんが全然信じてくれないので、私はスマホを手に持ちカメラを起動した。
そして、我が家のリビングにいる天野さんに向けてスマホを構え・・・
ボタンを押した。
シャッターの音が聞こえ・・・
「・・・お前!!左手!!!
何でボタン押す瞬間にスマホ持ってる左手も動かすんだよ!!!」
「何度練習してもダメで・・・」
天野さんの顔が画面に入っていない写真を天野さんに見せると、大笑いしていた。
大笑いしながら天野さんは自分のスマホを手に持ち、私のことを写真に撮った。
「昨日、お前の化粧までは落としてねーや。
鏡見てないだろ?
昨日は高い化粧品使ってるけど夏の汗で汚く落ちてるぞ。」
慌てて洗顔をした後、天野さんと一緒に朝ご飯を食べる。
お父さんが数日前から海外に行ったので、誰かと我が家でご飯を食べるのは久しぶりだった。
「お前料理上手いな。
すげー美味しい。」
「祖母と小さな頃から一緒に作っていたので、祖母の味です。
母は・・・もっと華やかな料理を作ってくれていましたが、幼稚園の頃だったので味は覚えていません。」
「でも、写真はあるからいいだろ。」
「そうですね、だからいつでも思い出せます。」
「よかったな、写真屋の娘で・・・有名なカメラマンの娘で。」
「そんなに有名じゃないですよ。」
「業界の中では有名だろ。
個展でも相当人が入るんだろ?」
「そうなんですか?
父の個展には行ったことがなくて・・・。
母も私も写真には興味がなくて・・・。」
「お父さん可哀想だな!!」
天野さんが楽しそうに笑い、ご飯を食べ終わった・・・。
少し遅くなった私のことも待っていてくれ、2人で“ごちそうさまでした”をした。
「カフェの正社員の誘いも断って、バイトのままあの店舗に居続けた奴なんてお前くらいだろ。」
「私が生きてきた中で・・・1番素敵な写真が撮れたお店だったから。」
「写真屋の娘だな。」
天野さんが大笑いをしながらリビングの中を見渡す。
そこには・・・沢山の写真が飾られている。
お母さんの笑顔・・・
オババの笑顔・・・
私の笑顔・・・。
それだけじゃなくて、怒っている顔も泣いている顔も悔しがっている顔も・・・。
そして・・・
「これ、ブレすぎだろ!!」
天野さんがいくつかあるブレた写真を見て笑っている。
「それはお母さんが撮ったお父さんで・・・。
そっちのは私が撮ったお父さんです・・・。」
「どうしたんだよ、カメラマンの娘!!」
「カメラ全然上手くならなくて・・・。
勿論、スマホでも上手く取れません。」
「・・・そんなわけねーだろ。
スマホは誰でもそれなりに撮れるだろ。」
天野さんが全然信じてくれないので、私はスマホを手に持ちカメラを起動した。
そして、我が家のリビングにいる天野さんに向けてスマホを構え・・・
ボタンを押した。
シャッターの音が聞こえ・・・
「・・・お前!!左手!!!
何でボタン押す瞬間にスマホ持ってる左手も動かすんだよ!!!」
「何度練習してもダメで・・・」
天野さんの顔が画面に入っていない写真を天野さんに見せると、大笑いしていた。
大笑いしながら天野さんは自分のスマホを手に持ち、私のことを写真に撮った。
「昨日、お前の化粧までは落としてねーや。
鏡見てないだろ?
昨日は高い化粧品使ってるけど夏の汗で汚く落ちてるぞ。」
慌てて洗顔をした後、天野さんと一緒に朝ご飯を食べる。
お父さんが数日前から海外に行ったので、誰かと我が家でご飯を食べるのは久しぶりだった。
「お前料理上手いな。
すげー美味しい。」
「祖母と小さな頃から一緒に作っていたので、祖母の味です。
母は・・・もっと華やかな料理を作ってくれていましたが、幼稚園の頃だったので味は覚えていません。」
「でも、写真はあるからいいだろ。」
「そうですね、だからいつでも思い出せます。」
「よかったな、写真屋の娘で・・・有名なカメラマンの娘で。」
「そんなに有名じゃないですよ。」
「業界の中では有名だろ。
個展でも相当人が入るんだろ?」
「そうなんですか?
父の個展には行ったことがなくて・・・。
母も私も写真には興味がなくて・・・。」
「お父さん可哀想だな!!」
天野さんが楽しそうに笑い、ご飯を食べ終わった・・・。
少し遅くなった私のことも待っていてくれ、2人で“ごちそうさまでした”をした。
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