【完】初めてのベッドの上で珈琲を(カットページ掲載済2023.5.13)

Bu-cha

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─────────・・・・・



「ん・・・」



真夏の強い朝日の眩しさと、なんだか苦しい感覚で目を覚ます・・・。
目を開けると私の部屋で、カーテンが閉められていないからこんなに明るかったと分かった。



そして・・・
私の身体に回った天野さんのツルツルで太い腕。
背中に天野さんの身体を感じ、ドキドキしながら少しだけ振り返ると・・・何も着ていなくて驚いた。



慌てながら自分を見ると、一応下着の上にキャミソールは着ている姿で・・・
天野さんも・・・下着は履いているようだった。



それに少し安心しつつ、少し残念に思いつつ、少し痛い頭をおさえながら静かにベッドから抜け出した。



リビングに入り、お母さんとオババの仏壇に朝の挨拶をする。
それからキッチンに行き、三食ちゃんと食べないと死んでしまう天野さんのために朝ご飯を作った。



私1人の時は珈琲とパンくらいの朝ご飯だけど、今日はご飯を炊く。
目玉焼きとベーコン、ほうれん草のお浸し、大根と油揚げのお味噌汁・・・。



「食材買っておけばよかったな・・・。」



いつも週末に買い溜めをするので冷蔵庫には全然食材が残っていなかった。
作り終わった料理をダイニングテーブルに並べていると、天野さんがリビングに入ってきたのが分かった。



「はよ・・・。」



「おはようございます。」



挨拶をしながら天野さんの方を見たら・・・
下着だけの姿だった。



さっきはチラッとしか見なかったけど、浅黒い肌に大きな身体・・・
腕も胸もお腹も足も・・・筋肉が沢山ついていた。



それに驚きながらいつもより多めに瞬きをする。
そんな私に天野さんは面白そうな顔で笑いながら、自分の身体を触った。



「もっと筋肉つけたいんだけどな。」



「ついてるじゃないですか・・・。」



視線を逸らしてから、お父さんの部屋に向かう。
タンスからお父さんのTシャツとハーフパンツを取り出し、ダイニングテーブルの椅子に座った天野さんに渡した。



「誰の・・・?」



「父です。」



「ありがと。
そういえば、お父さんは?」



天野さんがお父さんの服を着ながら聞いてきた。



「数日前にまた海外に行きました。
なのでしばらく帰らないと思います。」



「そうか・・・。
お前今日も店番?」



「店番というか、なんというか・・・。」



「店番だろ、給料貰ってねーから大丈夫だろ。」



会社が休みの日は今でも店番をしている。
平日はお父さんの知り合いの方がお店をやってくれているけど、土日は私が。
カフェのバイトの時はシフトが入っていない時に店番をしていた。



「お父さん、私のことが心配だったんだと思います・・・。
私が藤岡ホールディングスに入れてから、また海外に行きたいって言ってきて。」



「元々ずっと海外にいたんだろ?」



「そうですね・・・。
なので、私を採用してくれてありがとうございました。」
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