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「言ってないんだよね・・・?」
「言ってねーよ。」
「そう・・・。」
天野さんのお母さんが天野さんにもよく似た顔で私を見てくる。
「良い女だね。
アンタの所の会社の子?」
「そうだから、その顔やめろよ!」
「副業ダメなんだっけ?
バイトでさ、少しだけでも。」
「副業ダメだよ!!・・・行くぞ!!」
天野さんがお母さんに怒り、私の背中にまた優しく手を添え歩くよう促す。
そんな私を天野さんのお母さんが最後まで面白そうな顔で笑っていた。
裏の方に行き天野さんが扉を開いてくれると、綺麗なお姉さんが数人椅子に座っている。
「剛士く~ん!!!」
綺麗なお姉さん方が一気に立ち上がり天野さんに集まってきた。
勿論、私の周りにも集まっていることになるわけで・・・
良い匂いに包まれ、綺麗なお姉さんばかりで・・・
無意識に瞬きが多くなる。
「こいつに勉強させてやって。」
天野さんがそう言って、私の背中を優しく押してお姉さん方の前に立たせた。
「可愛い~!!何歳?」
「30歳です・・・。」
「・・・私より歳上~!?」
お姉さん方だと思っていたけど、私より年下の子もいるらしい。
テーブルにお姉さん方と着くと、そこに天野さんが沢山の本や雑誌をテーブルの上に置いた。
タイトルを見てみると・・・
“セクハラ“
”パワハラ”
“モラハラ”
“アルコール依存症”
“鬱病”
“躁鬱病”
“統合失調症”
“パニック障害”
“適応障害”
“リストカット”
“借金”
“発達障害”
そんな言葉がズラリと並んでいた。
天野さんがその中の1冊の本を手に取り、私に渡してきた。
「お前は中身見ておけ。」
そう言われたので本を1ページずつ見ていく。
「悪いけど、こいつに勉強させてやってほしい。
生の声を聞かせてやって。」
「いいけど・・・。
本読み終わってからの方がいい?」
「後で読むだろうから、このまま話してやって。
みんなで会話する感じでいいから。」
天野さんがお願いすると、お姉さん方は次々に話し始めた。
途中でメンバーが入れ替わる度、また新たなお話が・・・。
そのどの話も壮絶なお話で、そのお話を聞きながら私は1枚ずつページを見ていく。
瞬きをした目からは涙が止まらなかった・・・。
全ての本を見終わり、涙を拭いてから顔を上げる。
そしたらお姉さん方全員が面白そうな顔で私を見ていて・・・
「凄いね。
藤岡ホールディングスに入社出来るくらいだから優秀なんだ?」
「いえ、高卒でカフェのバイトでした・・・。」
「お金・・・なかったの?」
「勉強が出来なかったので。」
「「「え!!!??」」」
お姉さん方が声を合わせ、驚いている。
それには自然と笑ってしまった。
「試験って、暗記だけではそこまで点数は取れないので。」
「なるほど・・・。
この本、全部覚えたの?」
「まさか!!覚えられませんよ!!」
慌てて否定するとお姉さん方は不思議そうな顔をしている。
それに天野さんが笑いなら、私の手を優しく引き立たせた。
「ありがとな!!」
「剛士くん、今度はお客さんとして来てよ~!!」
「そんな金ねーよ!!」
お姉さん方のブーイングの中、天野さんと2人でお礼を言ってから裏の部屋を出た。
お店の扉まで少し歩いていると・・・
「あ!アンタ来てたんだ!!」
と、スーツ姿の女性が天野さんに話し掛けてきた。
「言ってねーよ。」
「そう・・・。」
天野さんのお母さんが天野さんにもよく似た顔で私を見てくる。
「良い女だね。
アンタの所の会社の子?」
「そうだから、その顔やめろよ!」
「副業ダメなんだっけ?
バイトでさ、少しだけでも。」
「副業ダメだよ!!・・・行くぞ!!」
天野さんがお母さんに怒り、私の背中にまた優しく手を添え歩くよう促す。
そんな私を天野さんのお母さんが最後まで面白そうな顔で笑っていた。
裏の方に行き天野さんが扉を開いてくれると、綺麗なお姉さんが数人椅子に座っている。
「剛士く~ん!!!」
綺麗なお姉さん方が一気に立ち上がり天野さんに集まってきた。
勿論、私の周りにも集まっていることになるわけで・・・
良い匂いに包まれ、綺麗なお姉さんばかりで・・・
無意識に瞬きが多くなる。
「こいつに勉強させてやって。」
天野さんがそう言って、私の背中を優しく押してお姉さん方の前に立たせた。
「可愛い~!!何歳?」
「30歳です・・・。」
「・・・私より歳上~!?」
お姉さん方だと思っていたけど、私より年下の子もいるらしい。
テーブルにお姉さん方と着くと、そこに天野さんが沢山の本や雑誌をテーブルの上に置いた。
タイトルを見てみると・・・
“セクハラ“
”パワハラ”
“モラハラ”
“アルコール依存症”
“鬱病”
“躁鬱病”
“統合失調症”
“パニック障害”
“適応障害”
“リストカット”
“借金”
“発達障害”
そんな言葉がズラリと並んでいた。
天野さんがその中の1冊の本を手に取り、私に渡してきた。
「お前は中身見ておけ。」
そう言われたので本を1ページずつ見ていく。
「悪いけど、こいつに勉強させてやってほしい。
生の声を聞かせてやって。」
「いいけど・・・。
本読み終わってからの方がいい?」
「後で読むだろうから、このまま話してやって。
みんなで会話する感じでいいから。」
天野さんがお願いすると、お姉さん方は次々に話し始めた。
途中でメンバーが入れ替わる度、また新たなお話が・・・。
そのどの話も壮絶なお話で、そのお話を聞きながら私は1枚ずつページを見ていく。
瞬きをした目からは涙が止まらなかった・・・。
全ての本を見終わり、涙を拭いてから顔を上げる。
そしたらお姉さん方全員が面白そうな顔で私を見ていて・・・
「凄いね。
藤岡ホールディングスに入社出来るくらいだから優秀なんだ?」
「いえ、高卒でカフェのバイトでした・・・。」
「お金・・・なかったの?」
「勉強が出来なかったので。」
「「「え!!!??」」」
お姉さん方が声を合わせ、驚いている。
それには自然と笑ってしまった。
「試験って、暗記だけではそこまで点数は取れないので。」
「なるほど・・・。
この本、全部覚えたの?」
「まさか!!覚えられませんよ!!」
慌てて否定するとお姉さん方は不思議そうな顔をしている。
それに天野さんが笑いなら、私の手を優しく引き立たせた。
「ありがとな!!」
「剛士くん、今度はお客さんとして来てよ~!!」
「そんな金ねーよ!!」
お姉さん方のブーイングの中、天野さんと2人でお礼を言ってから裏の部屋を出た。
お店の扉まで少し歩いていると・・・
「あ!アンタ来てたんだ!!」
と、スーツ姿の女性が天野さんに話し掛けてきた。
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