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ニャンのその言葉に、私はまた涙が溢れてきた。



「私の顔以外は見てないの・・・?」



「見てない。
だからカヤも俺の顔なんて見なければいい。
俺は何とも思わない。
もう大人だし、俺カヤにどう思われてても何とも思わない。」



そう言いながら、私の腕を掴む手にまた力を込めた。



「真っ暗にしておくから。
朝が来ても俺の顔なんて見えないように、ちゃんとカーテンは閉めておくから。」



「朝・・・。」



ニャンから朝の話が出て来て思わず呟いた。



“ちゃんと話した方がよさそう、朝の話。”
昨日お姉ちゃんから言われていたことを思い出し「朝」と呟いたら、ニャンの身体がピクリと動いた。



そして・・・



私の腕を掴んでいたニャンの手の熱がどんどん冷めてきた。



どんどんどんどん冷めてきて・・・



今度は冷たすぎるくらいになってきて・・・。



「ニャン・・・っ朝のことなんだけど・・・」



この腕が凍りついてしまう錯覚に陥り、慌てて声を上げた。



そしたら・・・



「そんな話別にしなくていい。」



ニャンが低くて怖い声を出した。
初めて聞くくらい怖い声を。



「でも・・・」



「いいから・・・!!!
俺には関係ないから聞きたくない!!
聞く必要もない!!!
聞きたくもない!!!」



ニャンが怒鳴ってきて私の腕から手を離し、その手をまたポケットに入れた。



それから大きく顔を歪め私のことを見下ろしてきて・・・



「俺が代わりになるから・・・。
ネコでも何でも、俺が代わりになるから・・・。
どんなカヤでも俺は今のカヤを選ぶから、だからいなくならないで欲しい・・・。」








カヤside.........
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