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そんな悲しいことを言われてしまい、それに口を開こうとした時、ニャンのが全て入ったのが分かった。



「俺のこと、好きに呼んでいいから・・・。」



「好きに・・・?」



「ネコだろうが何だろうが、好きに呼んでいいから・・・。
俺はカヤの顔が好きなだけだから何とも思わない。
カヤに何て呼ばれても何とも思わない。」



ニャンがそう言って、ゆっくりと動き出した。



“私”が目に入ることはないけれど、その代わり真っ黒だった・・・。



リビングの中は電気がついているはずなのに真っ黒だった・・・。



ニャンに覆われた手で、私の世界は真っ黒になった・・・。



「俺、もう大人だから・・・。
知ってると思うけど金だって稼いでる・・・。
俺とセックスが出来るくらいなら俺でいいだろ・・・。」



「でも・・・っ」



「俺はカヤの顔が好きなだけだから・・・。
カヤがどんな姿だったとしてもなんとも思わない・・・。
本当はどんなことを思っていたとしてもなんとも思わない・・・。」



「なにそれ・・・?」



真っ黒な世界の中でニャンに聞くと、ニャンが苦しいくらい私のことを片手で抱き締めてきた。



「会計事務所も続けたければ続ければいいし、飯なんて作らなくたっていい・・・。
だから・・・」



ニャンが腰を少しだけ早く動かし、私の両目に手を強く押し付けてきた。



「このまま出す・・・。」



「ニャン・・・っ!!」



それには慌てながらニャンの胸を強く押し、重いニャンの身体の下でもがいていく。



「1回出したことあるだろ・・・。
去年の夏、しただろ・・・。」



「あれは・・・っ」



そうした方がいいと強く強く強く浮かんできたから。
ニャンの為にそうした方がいいと・・・。



でも今はダメだと強く強く、強く強く浮かんでくる。



「ニャン、やめて・・・っ!!」



私が叫んでもニャンの身体は私のことをもっと強く固定してきた。



なのに・・・



不思議とニャンの身体から抜け出せ、明るくなった世界でニャンを見下ろす。



苦しそうな顔をして私のことを見上げているニャンのことを。



「ごめんね、帰る・・・。」



大急ぎで服を着ていくと、ニャンがソレを仕舞ったのが視界に入った。



「送っていく。」
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