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目を開けた時、世界は薄暗い黒だった。
頭はボーッとしていてここがどこだかよく分からず・・・。
でも、すぐに思い出した。
昨日カヤと再会しカヤとセックスをした。
カヤとセックスを・・・。
俺の腕の中に強く閉じ込めていたはずだけど、俺は仰向けで寝ていたようで。
まだまだボーッとしている頭を動かして隣にいるカヤを見た。
隣にいるカヤを・・・。
隣にいるはずのカヤを・・・。
それを見た瞬間、俺は勢いよく上半身を起こした。
「カヤ・・・?」
俺の隣にカヤはいなかった。
慌ててベッドから立ち上がりすぐそこのユニットバスの扉を開いた。
誰もいないユニットバスの中を見て一気に身体が冷たくなっていく。
動悸が激しくなっていく中でスマホを手に取り電話を掛ける。
連絡先は昨日消したけれどカヤの電話番号は覚えていた。
それくらい高校の頃は電話をしていたし、大学に入ってからも夏は毎年何度も何度も電話を掛けていた。
出てくれることはない電話を・・・。
スマホの向こう側からカヤの声が聞こえることはなく、無機質な音だけが鳴り続ける。
留守電になることもなく、ずっと鳴り続ける。
今日も鳴り続ける。
その音を聞いている途中で見えていた。
この部屋の小さなテーブルにお金が置いてあるのを。
それを見詰めながら耳からスマホを離し、震えてきた手でメッセージを送る。
《今どこ?》
そのメッセージを送りながらも見えていた。
夏になり毎年送っていた沢山のメッセージ。
昨日会ってセックスまでしたカヤは今もそのメッセージを読んでくれてもいないと。
「起こしてでも言えばよかった・・・。」
“明日”なんて言わず、あの時起こしてでもカヤに伝えればよかった。
“今も好きだ”と、“付き合って欲しい”と。
どんな返事だったとしても、伝えたかった。
「1人で帰るなよ・・・。」
目を開けた時、世界は薄暗い黒だった。
頭はボーッとしていてここがどこだかよく分からず・・・。
でも、すぐに思い出した。
昨日カヤと再会しカヤとセックスをした。
カヤとセックスを・・・。
俺の腕の中に強く閉じ込めていたはずだけど、俺は仰向けで寝ていたようで。
まだまだボーッとしている頭を動かして隣にいるカヤを見た。
隣にいるカヤを・・・。
隣にいるはずのカヤを・・・。
それを見た瞬間、俺は勢いよく上半身を起こした。
「カヤ・・・?」
俺の隣にカヤはいなかった。
慌ててベッドから立ち上がりすぐそこのユニットバスの扉を開いた。
誰もいないユニットバスの中を見て一気に身体が冷たくなっていく。
動悸が激しくなっていく中でスマホを手に取り電話を掛ける。
連絡先は昨日消したけれどカヤの電話番号は覚えていた。
それくらい高校の頃は電話をしていたし、大学に入ってからも夏は毎年何度も何度も電話を掛けていた。
出てくれることはない電話を・・・。
スマホの向こう側からカヤの声が聞こえることはなく、無機質な音だけが鳴り続ける。
留守電になることもなく、ずっと鳴り続ける。
今日も鳴り続ける。
その音を聞いている途中で見えていた。
この部屋の小さなテーブルにお金が置いてあるのを。
それを見詰めながら耳からスマホを離し、震えてきた手でメッセージを送る。
《今どこ?》
そのメッセージを送りながらも見えていた。
夏になり毎年送っていた沢山のメッセージ。
昨日会ってセックスまでしたカヤは今もそのメッセージを読んでくれてもいないと。
「起こしてでも言えばよかった・・・。」
“明日”なんて言わず、あの時起こしてでもカヤに伝えればよかった。
“今も好きだ”と、“付き合って欲しい”と。
どんな返事だったとしても、伝えたかった。
「1人で帰るなよ・・・。」
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