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バタン─────...と、玄関の扉が閉まった音がやけに響いてきた。
俺は1ミリもベッドの上から動けないままその音を聞いていた。
カヤがこの家からいなくなって長い時間、俺は暗闇の中でボーッとする。
すっかり萎えた下半身もそのままに、右手で握り締めていた避妊具もそのままに、長い時間ボーッとしていた。
「明日、また・・・。」
カヤに、“明日、またね。”と言って貰えた。
だからカヤは明日も来てくれる。
「どんな明日なんだろう・・・。」
カヤと俺にはどんな明日があるんだろう・・・。
「また会えるならそれでいいか・・・。」
カヤが“またね”と言うのならまた会える未来があるのだと思う。
カヤは“普通”の女の子ではないから。
神様の娘なのだから天使なのだと思う。
本当に天使なのだと思う。
“本当に好きな女の子と、覚悟を決めたセックスだけをしろ。
セックスは気持ち良くもないし楽しくもないし幸せでもない。
だから軽い気持ちでは絶対にするんじゃねーぞ。
本当に好きな女の子と、覚悟を決めた時だけだ。”
ガキの頃から何百回も聞かされていた父さんのうるさすぎる声が今も聞こえるような気がする。
“そんな女の子とセックスが出来るタイミングがあったら絶対に逃すな。
そして結婚出来るタイミングがあるならそれも絶対に逃すな。”
「分かってるよ・・・。」
再会してから1度だけ出来たカヤとのセックス。
気持ち良くもあったし楽しくもあったけれど心から幸せではなかったセックス。
でも・・・
「それでもいい・・・。
俺は“明日”もカヤと会いたい・・・。」
使うことは出来なかったコンドームを強く強く握り締める。
「ネコだろうが何だろうが、何だっていい・・・。」
夏夜side......
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バタン─────...と、玄関の扉が閉まった音がやけに響いてきた。
俺は1ミリもベッドの上から動けないままその音を聞いていた。
カヤがこの家からいなくなって長い時間、俺は暗闇の中でボーッとする。
すっかり萎えた下半身もそのままに、右手で握り締めていた避妊具もそのままに、長い時間ボーッとしていた。
「明日、また・・・。」
カヤに、“明日、またね。”と言って貰えた。
だからカヤは明日も来てくれる。
「どんな明日なんだろう・・・。」
カヤと俺にはどんな明日があるんだろう・・・。
「また会えるならそれでいいか・・・。」
カヤが“またね”と言うのならまた会える未来があるのだと思う。
カヤは“普通”の女の子ではないから。
神様の娘なのだから天使なのだと思う。
本当に天使なのだと思う。
“本当に好きな女の子と、覚悟を決めたセックスだけをしろ。
セックスは気持ち良くもないし楽しくもないし幸せでもない。
だから軽い気持ちでは絶対にするんじゃねーぞ。
本当に好きな女の子と、覚悟を決めた時だけだ。”
ガキの頃から何百回も聞かされていた父さんのうるさすぎる声が今も聞こえるような気がする。
“そんな女の子とセックスが出来るタイミングがあったら絶対に逃すな。
そして結婚出来るタイミングがあるならそれも絶対に逃すな。”
「分かってるよ・・・。」
再会してから1度だけ出来たカヤとのセックス。
気持ち良くもあったし楽しくもあったけれど心から幸せではなかったセックス。
でも・・・
「それでもいい・・・。
俺は“明日”もカヤと会いたい・・・。」
使うことは出来なかったコンドームを強く強く握り締める。
「ネコだろうが何だろうが、何だっていい・・・。」
夏夜side......
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