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「たぶん土の中に埋まってる。」
「えぇ!?」
武田先生は驚いた声を出し、俺は大笑いしてしまった。
「カヤが・・・会長があのネコと友達で、今頃神社の裏の土の中に埋まってる。」
「会長の為に描いた絵だったんだ?」
「そういうわけじゃないけど、そういうことだったんだろうな。」
「写真も見ないで描いてたから、須崎君にしては珍しく頭の中にあるイメージだけで絵を描いたのかと思ってたけど。
本当にあの猫は実在してたんだね。」
「何年も毎日のように俺にガン飛ばしてきてたネコ。
でも勢いで描いたから正確にデッサン出来てたかは微妙。
形を正確に捉える力と色を再現する力は訓練してるから、実際にこの目で見たモノだったら描けるはずだけどあのネコは微妙。」
俺の言葉に武田先生は少しだけ驚いた顔をした。
「父から、須崎君のお母さんは表現力と構図を考える力は高かったけどデッサン力がそこに追い付かなかったと聞いたことがあるよ。
須崎君は描写力が非常に高いのは訓練してたからなんだね。」
母さんが描く兄貴や俺の絵は随分と盛られた絵だった。
“そんなに可愛くないだろ!?”と子どもの頃でも思ったし、大きくなってからは“どんなイケメンだよ!?”と突っ込みまくった。
母さんが描く父さんはもっと酷くて、あんなに不細工な父さんをよくここまで格好良く描けたなと思うような絵だった。
不細工な姿をしている父さんのことを思い浮かべながら口を開く。
「仕方ないから訓練したんだよ。
父親が“遺伝遺伝遺伝”ってうるせーから、父親みたいに人の姿を一発で正確に覚えられる力なんてなかったけど、あまりにもうるさいから訓練して身に付けたんだよ。」
俺の言葉に武田先生が面白そうに笑った時、美術室の扉が開いた。
カヤが生徒会の仕事を終え、今日は俺を迎えに来てくれたらしい。
「えぇ!?」
武田先生は驚いた声を出し、俺は大笑いしてしまった。
「カヤが・・・会長があのネコと友達で、今頃神社の裏の土の中に埋まってる。」
「会長の為に描いた絵だったんだ?」
「そういうわけじゃないけど、そういうことだったんだろうな。」
「写真も見ないで描いてたから、須崎君にしては珍しく頭の中にあるイメージだけで絵を描いたのかと思ってたけど。
本当にあの猫は実在してたんだね。」
「何年も毎日のように俺にガン飛ばしてきてたネコ。
でも勢いで描いたから正確にデッサン出来てたかは微妙。
形を正確に捉える力と色を再現する力は訓練してるから、実際にこの目で見たモノだったら描けるはずだけどあのネコは微妙。」
俺の言葉に武田先生は少しだけ驚いた顔をした。
「父から、須崎君のお母さんは表現力と構図を考える力は高かったけどデッサン力がそこに追い付かなかったと聞いたことがあるよ。
須崎君は描写力が非常に高いのは訓練してたからなんだね。」
母さんが描く兄貴や俺の絵は随分と盛られた絵だった。
“そんなに可愛くないだろ!?”と子どもの頃でも思ったし、大きくなってからは“どんなイケメンだよ!?”と突っ込みまくった。
母さんが描く父さんはもっと酷くて、あんなに不細工な父さんをよくここまで格好良く描けたなと思うような絵だった。
不細工な姿をしている父さんのことを思い浮かべながら口を開く。
「仕方ないから訓練したんだよ。
父親が“遺伝遺伝遺伝”ってうるせーから、父親みたいに人の姿を一発で正確に覚えられる力なんてなかったけど、あまりにもうるさいから訓練して身に付けたんだよ。」
俺の言葉に武田先生が面白そうに笑った時、美術室の扉が開いた。
カヤが生徒会の仕事を終え、今日は俺を迎えに来てくれたらしい。
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