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「須崎君って会長と仲良いよね。」
美術部のない日にも美術室で絵を描いていたら顧問の1人である武田先生が声を掛けてきた。
今年23歳、母さんの恩師の息子さんだった。
画家を目指しつつ美術の非常勤の先生としても働き、美術部の顧問としても週に2回来ていた。
今年の秋に実際に生徒会長となるカヤのことを聞かれ、俺は素直に頷いた。
「仲良いっすね。」
「青春だよね~、俺にはそういうのなかったから羨ましいよ。」
そう言いながら俺のキャンバスを見下ろしてきた。
「うん、高校生の中では最優秀賞を取れるような上手な絵だよね。」
「それ、褒めてませんよね?」
「褒めてないわけではないけど・・・」
武田先生が言葉を切った後に美術部の中を少しだけ見渡した。
「1年生の時に描いてたあの猫の絵ってどうしたの?」
そう聞かれた。
「夏休みに入る前から急に描き始めて、コンクールに出す絵を後回しにしてまで描いてたよね?
途中までしか見てない状態で夏休みに入ったから俺も完成を見てないけど、途中までの絵を見ただけであの猫の絵が忘れられないくらい印象深い絵だったよ。」
美術部のない日にも美術室で絵を描いていたら顧問の1人である武田先生が声を掛けてきた。
今年23歳、母さんの恩師の息子さんだった。
画家を目指しつつ美術の非常勤の先生としても働き、美術部の顧問としても週に2回来ていた。
今年の秋に実際に生徒会長となるカヤのことを聞かれ、俺は素直に頷いた。
「仲良いっすね。」
「青春だよね~、俺にはそういうのなかったから羨ましいよ。」
そう言いながら俺のキャンバスを見下ろしてきた。
「うん、高校生の中では最優秀賞を取れるような上手な絵だよね。」
「それ、褒めてませんよね?」
「褒めてないわけではないけど・・・」
武田先生が言葉を切った後に美術部の中を少しだけ見渡した。
「1年生の時に描いてたあの猫の絵ってどうしたの?」
そう聞かれた。
「夏休みに入る前から急に描き始めて、コンクールに出す絵を後回しにしてまで描いてたよね?
途中までしか見てない状態で夏休みに入ったから俺も完成を見てないけど、途中までの絵を見ただけであの猫の絵が忘れられないくらい印象深い絵だったよ。」
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