【完】夏の夜に、またね。(カットページ掲載済2023.5.14)

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土曜日の夜、電車は賑わっていた。
お酒の匂いだけではなく笑い声まで充満している。
そんな中で私は呆然と窓ガラスに映る自分の可愛い顔を眺めていた。
夏の夜の中に浮かぶ自分の可愛い顔を・・・。



そしたら、強い視線を感じた。



窓ガラス越しに見てみるとすぐに分かった。
“ゆきのうえ商店街”の本屋さんの娘、須崎さんがスーツではなく私服姿で電車に乗っていた。



須崎さんが美しい顔で窓ガラス越しに微笑んでくれ、それに小さくお辞儀をして答えた。



そして家の最寄り駅に着くと、須崎さんはドアを降りた所で私を待ってくれていた。



「可愛い女の子が1人だと危ないから“ゆきのうえ商店街”まで送っていく。」



「ありがとうございます・・・。」



須崎さんの優しい言葉には緊張したけれど素直にお礼を伝えた。