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私の声に羽鳥さんはスマホから目を離し私のことを振り向いた。
「あ・・・!園江さん、お疲れ様!!」
他の女の子達と同じように、いや、それ以上に顔を真っ赤にさせて私に挨拶をした。
“チョロい女。”
心の中で悪口を言いながらも顔には笑顔を作り、自動販売機へと歩いた。
これからこのチョロい女に攻撃する為にも少しでも力が湧くよう、栄養ドリンクのボタンを押す。
「お勉強疲れちゃったかな?」
栄養ドリンクを取り出した後、また羽鳥さんを振り向き答える。
「そうですね、少し。
生理にもなってて体調も悪くて。」
嘘ではないけれど本当のことでもないことを口にした。
そしたら羽鳥さんは私の姿ではなく私が手に持っている栄養ドリンクを眺め・・・
「そうなんだ・・・。」
小さく呟き、羽鳥さんの目の前にあるまだストローもさしていない小さなパックの飲み物を私に向けて差し出してきた。
「こっちと交換しようか。
鉄分だけじゃなくて他にも色々と入ってるから。
そんなに冷たくなくなってるし。」
「いえ、結構です。
これを飲んで元気を出します。」
これから自分が攻撃されてしまうことに気付いたのか何なのか、羽鳥さんは私の栄養ドリンクを取り上げようとしてくる。
「それはカフェインが入ってるから私が飲みたいな、少し寝不足で。」
その言葉を聞き・・・
手に持つ栄養ドリンクを見下ろす。
たまに飲むいつもの栄養ドリンク。
本当に効果が出ているのかは分からないけれど、いつも気持ちだけでもいくらか元気になれていると思っていた。
私に真っ赤な顔と気持ちを向け、優しい顔と声でこの栄養ドリンクを私から取り上げようとしてきた羽鳥さんのことをもう1度思い返し、聞いた。
「もしかして、これ生理中に飲まない方が良いんですか?」
「絶対にダメなわけではないと思うけど、体調が良くないなら控えてみても良いかも。
私のをあげるよ。」
このチョロい女は“こういう人”でもあるのだと分かる。
望からも散々聞いているし佐伯さんだって羽鳥さんのことが好きだし、あの若くて格好良い男の子だって羽鳥さんのことが大好きなはずで。
羽鳥さん自身もチョロい女だろうけど、羽鳥さんの周りにいる人達も羽鳥さんのことが大好きになる。
周りの人のことを“チョロい人”にしてしまう魅力が羽鳥さんにはあるのだと嫌でも分かる。
だって私も一瞬にして戦う気持ちが消え去った。
綺麗さっぱり消え去ってしまった。
私に向かって交換しようとしている羽鳥さんの手の中にある飲み物を視界に入れながら口にする。
「私が貰っても良いんですか?」
羽鳥さんの手の中には砂川さんがいる。
心の中にはあの若くて格好良い男の子がいるはずなのに、小関の“家”の人間として結婚が出来ない相手なのだと容易に推測が出来、そのことにめちゃくちゃイライラとしながら口にした。
「あ・・・!園江さん、お疲れ様!!」
他の女の子達と同じように、いや、それ以上に顔を真っ赤にさせて私に挨拶をした。
“チョロい女。”
心の中で悪口を言いながらも顔には笑顔を作り、自動販売機へと歩いた。
これからこのチョロい女に攻撃する為にも少しでも力が湧くよう、栄養ドリンクのボタンを押す。
「お勉強疲れちゃったかな?」
栄養ドリンクを取り出した後、また羽鳥さんを振り向き答える。
「そうですね、少し。
生理にもなってて体調も悪くて。」
嘘ではないけれど本当のことでもないことを口にした。
そしたら羽鳥さんは私の姿ではなく私が手に持っている栄養ドリンクを眺め・・・
「そうなんだ・・・。」
小さく呟き、羽鳥さんの目の前にあるまだストローもさしていない小さなパックの飲み物を私に向けて差し出してきた。
「こっちと交換しようか。
鉄分だけじゃなくて他にも色々と入ってるから。
そんなに冷たくなくなってるし。」
「いえ、結構です。
これを飲んで元気を出します。」
これから自分が攻撃されてしまうことに気付いたのか何なのか、羽鳥さんは私の栄養ドリンクを取り上げようとしてくる。
「それはカフェインが入ってるから私が飲みたいな、少し寝不足で。」
その言葉を聞き・・・
手に持つ栄養ドリンクを見下ろす。
たまに飲むいつもの栄養ドリンク。
本当に効果が出ているのかは分からないけれど、いつも気持ちだけでもいくらか元気になれていると思っていた。
私に真っ赤な顔と気持ちを向け、優しい顔と声でこの栄養ドリンクを私から取り上げようとしてきた羽鳥さんのことをもう1度思い返し、聞いた。
「もしかして、これ生理中に飲まない方が良いんですか?」
「絶対にダメなわけではないと思うけど、体調が良くないなら控えてみても良いかも。
私のをあげるよ。」
このチョロい女は“こういう人”でもあるのだと分かる。
望からも散々聞いているし佐伯さんだって羽鳥さんのことが好きだし、あの若くて格好良い男の子だって羽鳥さんのことが大好きなはずで。
羽鳥さん自身もチョロい女だろうけど、羽鳥さんの周りにいる人達も羽鳥さんのことが大好きになる。
周りの人のことを“チョロい人”にしてしまう魅力が羽鳥さんにはあるのだと嫌でも分かる。
だって私も一瞬にして戦う気持ちが消え去った。
綺麗さっぱり消え去ってしまった。
私に向かって交換しようとしている羽鳥さんの手の中にある飲み物を視界に入れながら口にする。
「私が貰っても良いんですか?」
羽鳥さんの手の中には砂川さんがいる。
心の中にはあの若くて格好良い男の子がいるはずなのに、小関の“家”の人間として結婚が出来ない相手なのだと容易に推測が出来、そのことにめちゃくちゃイライラとしながら口にした。
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