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「課長、私がこっち側にいるんだからね?
純愛ちゃんとセックス始めないでよ?」



ベッドが置かれている部屋ではなく畳の部屋、そこに布団を2組ではなく3組敷いて貰い、私を真ん中に薄暗い部屋で3人で布団に入っている。



「純愛ちゃんが生理でなければ始めていたよ。」



「純愛ちゃんと一緒にいる課長を見て思ったけど、課長ってそういう所あるよね。
私が思ってた以上に“悪いコト”とか普通に出来ちゃう人っぽい」



「悪いことというか、俺は他の人の目が全く気にならなくて。
ホールディングスの経理部に来てから改めて知識としては学んだけど、昔からそういうことが気になったことがなくて。」



「だから、純愛ちゃんの彼氏の私がいても気にならない。
それどころか実戦の最中でアドバイスも聞けるからセックスしたいところ・・・とか思ってる?」



「ご名答。」



「何も嬉しくないやつ。
最中になんてアドバイスするわけないじゃん。」



「あのさ、そんなことよりも2人とも。」



結構凄い話を佐伯さんと砂川さんがしているけれど、まだ生理中の私はそんなことよりも気になることがあって。



「私、これじゃあ眠れないんだけど。」



仰向けになり両手を大きく広げ、左手には佐伯さんの手が、右手には砂川さんの手が繋がれている。



「課長、先に手を離してよ。」



「俺はこのまま寝るよ?」



「じゃあ私も。」



「え!?私は無理だから!!」



「「大丈夫だよ。」」



「何も大丈夫じゃないって!!」



「おやすみ~♪」



「おやすみ。」



「おやすみ出来ないから!!!」



嘆いた後に口を閉じ、2人の返事を待つ・・・。



なのにどちらからも返事はない。



「後で絶対に手を離すからね。」



そう宣言をしたら、キュッと手を強く握られた。
どちらか片方の手ではなく両手とも。



それには思わず小さく笑い、“結構幸せなことなのかもな”と思う。



私の命も身体も愛してくれている彼氏と、私がどうしても嫌いになることが出来ない好きな男。
その2人が両隣にいて私の手を強く握っている。



この2人の前では私は“女”なのかもしれない。



演技なのか慰めなのか私には分からないけれど、この2人が私のことを“女”として扱ってくれていることは事実で。



1人ではやっぱり“悪いコト”は出来そうにないけれど、3人だったらこんなにも“悪いコト”が出来ている。



いつもよりも強い自分になれている気がする。



「3人でいると楽しい・・・。」



砂川さんと2人でいた時よりも佐伯さんと2人でいた時よりも、3人でいる時の方が凄く楽しい。



「おやすみなさい。」



楽しいことだけではなく心配になることも苦しいと思うこともあった1日。
でも寝る瞬間にこんなに楽しい気持ちで目を閉じることが出来たから、今日1日は楽しかった日だったと思えた。



2人の手の温もりに安心し、自然と笑いながら目を閉じ続ける。
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