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砂川さんの口から出てきたその声を聞き、自分の細いだけの膝の上で両手を強く握り締める。
俯き続けたまま、泣きそうになりながらも口にする。
「遮光カーテン・・・。」
口にした声は小さな小さな音だった。
「遮光カーテン?」
「遮光カーテンを私が準備します。
この部屋のカーテンを遮光カーテンに変えたらまたエッチさせてくれませんか?」
「ごめん、全く意味が分からない。」
「砂川さんは意味が分からなくて良いです。
私だけが意味を分かっていればそれで良いです。」
外からの光りを入れてしまうこのカーテンがいけないのだと私には分かる。
この部屋の中が完全なる黒になれば砂川さんだってきっとエッチが出来る。
私のこんな姿なんて何も見えなければ、砂川さんの下半身だってある程度は反応がするのだと分かる。
「砂川さん、本当の意味で女の子として好きだった女の子はいましたか?」
「いない。」
「見た目だけでも好みだった女の子はいましたか?」
「いない。」
「胸が大きい子が良いとか・・・。」
「胸の大きさと母乳が出てくる量は関係がないとは聞いたことがあるから胸の大きさは気にしない。」
「・・・お尻が大きい子が良いとか。」
「そっちの方が安産になるならその方が良い。」
真っ暗な中で砂川さん好みの女の子からエッチなことをされていると妄想して貰おうと思いこの質問をしたけれど、その質問をした相手が“そういう人”である砂川さんだったことを失念していた。
「砂川さんってここの処理をする時にどうやって処理をしてるんですか?
何か見たりしてます?」
「見たりとかそういうのは俺には無理だったから何も見ていない。」
「何が無理だったんですか?」
「男ならまだしも、不特定多数の人間が見るあんな物に出演をしている女の思考が全く分からなくて怖いとまで思い、下半身が逆に縮こまった。」
予想の斜め上の回答に私は自然と笑ってしまった。
「あの女性達にとってはそれが仕事ですし、何かしらの理由があってあの仕事を選んでいると思いますし、その女性達により助かっている人も沢山いるんだと思いますけどね。」
「そんな考え方が出来るなんて園江さんは良い子だね。」
「これは良い子というよりは、私の同級生でも結果的にあの仕事をしている女の子がいるので。
中学の時の同級生なんですけど芸能事務所に入っていたくらい綺麗な感じの子で、勉強も出来たので良い高校にも大学にも進学をして。
でも風の噂で聞いたその子の現在は、そういう仕事をしていると聞きました。
なかなか芽が出ない子をそっちの方へと移行させていくことがあるらしいです。
私の仕事なんかよりずっと大変な仕事だと私は思いますけどね。
好きでもない相手と気分でもないのにエッチをするなんて。
それを同級生だけではなく親戚や親にまで知られてしまうなんて。」
嘘ではなく本当のことを薄暗い部屋の中で顔を上げ口にした。
砂川さんが私のこんな顔を見ていることが気配で分かり、私も砂川さんの顔に視線を移し聞いてみた。
「女の子として“好き”までいかないにしても、女の子として“良いな”と思うくらいの子はいなかったんですか?」
最後にダメ元で聞いてみた私のことを砂川さんが真っ直ぐと見詰め返してくる。
そして・・・
「いるよ。」
その返事には聞いたことを後悔するくらい凄く苦しくなった。
泣きそうになりながらも笑顔を作り頷いた私に砂川さんが真剣な顔で口を開いた。
「園江さん。」
俯き続けたまま、泣きそうになりながらも口にする。
「遮光カーテン・・・。」
口にした声は小さな小さな音だった。
「遮光カーテン?」
「遮光カーテンを私が準備します。
この部屋のカーテンを遮光カーテンに変えたらまたエッチさせてくれませんか?」
「ごめん、全く意味が分からない。」
「砂川さんは意味が分からなくて良いです。
私だけが意味を分かっていればそれで良いです。」
外からの光りを入れてしまうこのカーテンがいけないのだと私には分かる。
この部屋の中が完全なる黒になれば砂川さんだってきっとエッチが出来る。
私のこんな姿なんて何も見えなければ、砂川さんの下半身だってある程度は反応がするのだと分かる。
「砂川さん、本当の意味で女の子として好きだった女の子はいましたか?」
「いない。」
「見た目だけでも好みだった女の子はいましたか?」
「いない。」
「胸が大きい子が良いとか・・・。」
「胸の大きさと母乳が出てくる量は関係がないとは聞いたことがあるから胸の大きさは気にしない。」
「・・・お尻が大きい子が良いとか。」
「そっちの方が安産になるならその方が良い。」
真っ暗な中で砂川さん好みの女の子からエッチなことをされていると妄想して貰おうと思いこの質問をしたけれど、その質問をした相手が“そういう人”である砂川さんだったことを失念していた。
「砂川さんってここの処理をする時にどうやって処理をしてるんですか?
何か見たりしてます?」
「見たりとかそういうのは俺には無理だったから何も見ていない。」
「何が無理だったんですか?」
「男ならまだしも、不特定多数の人間が見るあんな物に出演をしている女の思考が全く分からなくて怖いとまで思い、下半身が逆に縮こまった。」
予想の斜め上の回答に私は自然と笑ってしまった。
「あの女性達にとってはそれが仕事ですし、何かしらの理由があってあの仕事を選んでいると思いますし、その女性達により助かっている人も沢山いるんだと思いますけどね。」
「そんな考え方が出来るなんて園江さんは良い子だね。」
「これは良い子というよりは、私の同級生でも結果的にあの仕事をしている女の子がいるので。
中学の時の同級生なんですけど芸能事務所に入っていたくらい綺麗な感じの子で、勉強も出来たので良い高校にも大学にも進学をして。
でも風の噂で聞いたその子の現在は、そういう仕事をしていると聞きました。
なかなか芽が出ない子をそっちの方へと移行させていくことがあるらしいです。
私の仕事なんかよりずっと大変な仕事だと私は思いますけどね。
好きでもない相手と気分でもないのにエッチをするなんて。
それを同級生だけではなく親戚や親にまで知られてしまうなんて。」
嘘ではなく本当のことを薄暗い部屋の中で顔を上げ口にした。
砂川さんが私のこんな顔を見ていることが気配で分かり、私も砂川さんの顔に視線を移し聞いてみた。
「女の子として“好き”までいかないにしても、女の子として“良いな”と思うくらいの子はいなかったんですか?」
最後にダメ元で聞いてみた私のことを砂川さんが真っ直ぐと見詰め返してくる。
そして・・・
「いるよ。」
その返事には聞いたことを後悔するくらい凄く苦しくなった。
泣きそうになりながらも笑顔を作り頷いた私に砂川さんが真剣な顔で口を開いた。
「園江さん。」
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