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砂川さんとキスをしている。
私は今、砂川さんとキスをしている。



昨日佐伯さんからして貰ったキスよりもずっとドキドキとしてくる。
佐伯さんとのキスは私の唇に少し触れるくらいのキスだったからだと思う。
私の彼氏である佐伯さんとのキスよりも砂川さんとのキスにこんなにも喜んでしまっているのは、砂川さんの唇が私の唇から全然離れてくれないからだと思う。



苦しいくらいにドキドキとしてくる胸から逃れるように後ろに下がる。



そんな私の身体を砂川さんが追ってきて、いつの間にかベッドの真ん中まで来てしまった。



胸も呼吸も苦しくなり、両手で砂川さんの肩を押す。
結構強めに押しているにも関わらず砂川さんの身体は全然後ろに下がらない。



パサッ─────...と私の肩から砂川さんのジャケットが落ち、砂川さんと唇をつけ続けながらも慌ててそれを取ろうとする。



「砂川さ・・・ジャケット・・・皺になるから・・・」



目を開けすぐ目の前にある砂川さんの目を見詰めながら口にすると、砂川さんの顔が苦しそうに歪んだ。



「彼氏とキスはした?」



「うん・・・。」



「電気は・・・?電気は消してた?
俺とのセックスの時はいつも消してたよね?」



「電気はついてなかったけど、夕方だったから真っ暗じゃなかった。
砂川さん、ジャケット・・・。」



私のお尻で踏んでしまっているジャケットを見下ろしながら取り上げようとした時・・・



「・・・・・・ゎっ」



砂川さんの両手が私の肩を掴み、さっきよりも強引に唇を重ねてきて・・・



「・・・・ンッ・・・・・!!?」



驚くことに、私の口の中に砂川さんの舌が入ってきた。



「・・・・ンッ・・・・・ンンッ・・・・っっ」



砂川さんの舌が強引に私の舌を追い掛け回してくる。
不快ではないけれど気持ち良いとも思えないような深いキス。



初めてするこの深いキスはドラマや映画、漫画で見るような気持ち良いものではないことを初めて知った。



「・・・ハァッ・・・純ちゃ、純愛ちゃん、舌凄く甘いね・・・。」



さっき強い力で肩を掴まれキスをされた時、その勢いで私の身体はベッドに倒されていた。



電気がつけられている明るい寝室の中、私の身体に股がる砂川さんは何故か余裕のない顔と呼吸をしている。



「砂川さんの舌も甘いような気がする。」



「純愛ちゃんの舌の方が絶対に甘いよ・・・。
凄く甘くて驚いた・・・。」



名演技の砂川さんの顔がまた私の顔に下りてきて、また私の唇に砂川さんの唇が戻ってきた。



そして今度は私の口の中にゆっくりと舌を入れてきて、私の舌を味わうかのように舌を絡めてくる。



そんなキスをされている最中も、私の頭の中はお尻と腰の下にある砂川さんのジャケットのことでいっぱいだった。
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