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「お母さんと樹里ちゃん、帰ってた?」
莉央が作ってくれた夜ご飯、ジャガイモが入っていないカレーライスを食べてると莉央に聞かれた。
「まだ帰ってなかったな、母ちゃんは分かるけど・・・樹里、何してるんだ?
遊ぶような友達もいないだろうし。」
「そんなことはないでしょ?」
「そんなことがあるんだよ・・・。」
樹里のことを考えると、俺も苦笑い。
母ちゃんも樹里も家事をやらない・・・樹里については出来ないので、仕事の後に俺が家事と料理をしに寄っていた。
「おかわり・・・ある?」
「あるよ!持ってくるね?」
俺が立ち上がる前に、俺のお皿をサッと取り莉央がキッチンに行った。
莉央が作るカレーは・・・市販の甘口の素を使って作っていて・・・やけにドロッとしていた。
ジャガイモが溶けているからそうなのか、素を入れすぎているからそうなのか・・・たぶんどっちもだろうけど・・・
1杯目と同じくらいの量・・・より多めのカレーライスが俺の前に置かれた。
それに、俺は笑った。
俺は・・・このくらい食べたかったから。
莉央は何でも知っていて、何でも分かる・・・。
「今日のカレー、ドロドロだよね?
1人の時に作ったカレーは、サラサラだったんだよね。
味も濃いし、水で薄めた方が良かったのに・・・大丈夫?」
心配そうな顔で俺を見る莉央に、俺は笑う。
これが、いいから。
俺は、これが食べたいから。
味が美味しいかと聞かれたら・・・莉央には申し訳ないけど、そうではないので・・・
「ドロドロのカレーにも、俺は負けね~!!!」
と言って、カレーライスを口の中に入れた・・・。
脳が、震える・・・。
本当に、本当に、脳が震える・・・。
それくらい、喜んでいた・・・。
それくらい、俺の何かが喜んでいた・・・。
莉央は、凄いな・・・。
料理の中に、こんなに愛情を入れられる・・・。
凄い、愛情が入っている・・・。
だって、味がするから・・・。
味がするから・・・。
今日も、“幸せの味”がする・・・。
莉央が作ってくれた夜ご飯、ジャガイモが入っていないカレーライスを食べてると莉央に聞かれた。
「まだ帰ってなかったな、母ちゃんは分かるけど・・・樹里、何してるんだ?
遊ぶような友達もいないだろうし。」
「そんなことはないでしょ?」
「そんなことがあるんだよ・・・。」
樹里のことを考えると、俺も苦笑い。
母ちゃんも樹里も家事をやらない・・・樹里については出来ないので、仕事の後に俺が家事と料理をしに寄っていた。
「おかわり・・・ある?」
「あるよ!持ってくるね?」
俺が立ち上がる前に、俺のお皿をサッと取り莉央がキッチンに行った。
莉央が作るカレーは・・・市販の甘口の素を使って作っていて・・・やけにドロッとしていた。
ジャガイモが溶けているからそうなのか、素を入れすぎているからそうなのか・・・たぶんどっちもだろうけど・・・
1杯目と同じくらいの量・・・より多めのカレーライスが俺の前に置かれた。
それに、俺は笑った。
俺は・・・このくらい食べたかったから。
莉央は何でも知っていて、何でも分かる・・・。
「今日のカレー、ドロドロだよね?
1人の時に作ったカレーは、サラサラだったんだよね。
味も濃いし、水で薄めた方が良かったのに・・・大丈夫?」
心配そうな顔で俺を見る莉央に、俺は笑う。
これが、いいから。
俺は、これが食べたいから。
味が美味しいかと聞かれたら・・・莉央には申し訳ないけど、そうではないので・・・
「ドロドロのカレーにも、俺は負けね~!!!」
と言って、カレーライスを口の中に入れた・・・。
脳が、震える・・・。
本当に、本当に、脳が震える・・・。
それくらい、喜んでいた・・・。
それくらい、俺の何かが喜んでいた・・・。
莉央は、凄いな・・・。
料理の中に、こんなに愛情を入れられる・・・。
凄い、愛情が入っている・・・。
だって、味がするから・・・。
味がするから・・・。
今日も、“幸せの味”がする・・・。
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