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何て言おうか、悩んでいた。
クソ親父の説得にも応じなかった。
真知ちゃんが言うには、ママのスナックで1度だけ見たことがあり、ママも説得していたらしい。
ママの説得にも応じないクソジジイ・・・。
そんなクソジジイに何て言おうか悩んでいた・・・。
悩んでいた時、ボロボロのアパートのボロボロの扉がゆっくりと開いた・・・。
そして、中からは・・・
ボロボロになった服を着ている、ボロボロになっている爺さんが出てきた・・・。
その爺さんを見て、泣いた・・・。
深く刻まれた沢山のシワ・・・。
それでも、良い男だったから。
金も権力もきっとない男だけど、そんな物がなかったとしても良い男だとすぐに分かるくらい、良い男だったから。
そんな良い男に、言う・・・。
目が飛び出るくらい驚き私を見詰めているこの良い男に、言う・・・。
空気を吸い込み、吐いた・・・。
腹に力を入れ、吐いた・・・。
「そんなにボロボロのクソジジイになりやがって!!!
迎えに来たよ!!!!
これからは一緒に生きるよ、小太郎!!!!」
私が吐いた毒は、突き刺すように冷たい空気の中、白い息となって目の前の良い男へと広がる・・・。
そして、この良い男は吸い込んだ・・・。
きっと、吸い込んだ・・・。
私の毒を、吸い込んだ・・・。
だって、泣いているから・・・。
崩れ落ちるように、泣いているから・・・。
クソ親父の説得にも応じなかった。
真知ちゃんが言うには、ママのスナックで1度だけ見たことがあり、ママも説得していたらしい。
ママの説得にも応じないクソジジイ・・・。
そんなクソジジイに何て言おうか悩んでいた・・・。
悩んでいた時、ボロボロのアパートのボロボロの扉がゆっくりと開いた・・・。
そして、中からは・・・
ボロボロになった服を着ている、ボロボロになっている爺さんが出てきた・・・。
その爺さんを見て、泣いた・・・。
深く刻まれた沢山のシワ・・・。
それでも、良い男だったから。
金も権力もきっとない男だけど、そんな物がなかったとしても良い男だとすぐに分かるくらい、良い男だったから。
そんな良い男に、言う・・・。
目が飛び出るくらい驚き私を見詰めているこの良い男に、言う・・・。
空気を吸い込み、吐いた・・・。
腹に力を入れ、吐いた・・・。
「そんなにボロボロのクソジジイになりやがって!!!
迎えに来たよ!!!!
これからは一緒に生きるよ、小太郎!!!!」
私が吐いた毒は、突き刺すように冷たい空気の中、白い息となって目の前の良い男へと広がる・・・。
そして、この良い男は吸い込んだ・・・。
きっと、吸い込んだ・・・。
私の毒を、吸い込んだ・・・。
だって、泣いているから・・・。
崩れ落ちるように、泣いているから・・・。
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