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「すっっっげ~~!!!!」
ユズが大きな声を上げた。
その目はキラキラと輝いているように見えて、私達はユズの顔から目が離せなくなった。
「お客さん達、化粧下手くそすぎだろ!!」
「上手いお客さんもいるよ!!
ほら!!あれとかあれも!!」
「どうせ駿がやったんだろ!?」
「正解!!」
ユズと私の会話にみんなが笑った。
目がキラキラと輝き続けるユズを見詰めたまま、私は言った。
「これからみんなユズの家のお店に行くのかな。
この前買ったお化粧品が上手く使えなくて。
ユズのお母さんが教えてくれればお化粧が上手に出来るもんね。
オババせんぱいもそれで上手になった。
キャンバスの上でだけじゃなくて、自分の顔にも絵の具をのせられるようになったって。」
「オババせんぱいは化粧しないとのっぺらぼうだからな!!」
「うん。」
“うん”としか答えられなかった。
ユズの目から涙が流れてきたから・・・。
沢山沢山、流れてきたから・・・。
それでも、ユズは笑っている。
いつもの笑顔で笑っている。
「俺、絶対に忘れないから。」
泣きながら、笑いながら、ユズがそう言った。
「みんなのことも、これまでのことも、今日のこの景色も、絶対に忘れないから。」
ユズの言葉に、駿が私の右手を強く強く握ってきた。
その右手は少し震えている・・・。
「駿・・・?」
駿を見上げると、駿は真っ直ぐと商店街を見ながら静かに涙を流している・・・。
その向こうでは、ユズも・・・。
ユズも真っ直ぐと商店街を見詰め、静かに涙を流している・・・。
そんな2人を見て・・・
私も商店街を真っ直ぐと見詰めた・・・。
真っ白な世界の中、“ゆきのうえ商店街”に沢山の雪だるまが溢れているのを・・・。
ユズの家のお化粧品でお化粧をした雪だるまのお客さん達を・・・。
「“ゆきのうえ商店街”のことを、俺は絶対に忘れないから・・・。」
ユズのその言葉を聞き、私はこの景色の向こう側にある商店街の入口にあるアーチを見た。
私が生まれてから数日後に変えたアーチを。
そして、商店街の名前も変えた。
会長が本屋のオジサンから今の会長に変わり、変えた。
道が見えないくらいの雪の上でも歩いていける、それくらい強い商店街になるように。
この真っ白な世界、お化粧をした沢山の雪だるまの向こう側、“ゆきのうえ商店街”と書かれたアーチを真っ直ぐと見詰める。
私の右手が痛いくらいに握られているのに気付き、私も強く握り返した。
「「高みを目指そう。」」
「駿、高みを目指そう。
名刺1枚でどんな偉い人にも負けないくらい、それくらい上を。」
「了解です。」
「じゃあ、俺も・・・。
俺も高みを目指す。
もう誰にも何も取られないように・・・。」
ユズの震える声が、響いていた・・・。
ユズが大きな声を上げた。
その目はキラキラと輝いているように見えて、私達はユズの顔から目が離せなくなった。
「お客さん達、化粧下手くそすぎだろ!!」
「上手いお客さんもいるよ!!
ほら!!あれとかあれも!!」
「どうせ駿がやったんだろ!?」
「正解!!」
ユズと私の会話にみんなが笑った。
目がキラキラと輝き続けるユズを見詰めたまま、私は言った。
「これからみんなユズの家のお店に行くのかな。
この前買ったお化粧品が上手く使えなくて。
ユズのお母さんが教えてくれればお化粧が上手に出来るもんね。
オババせんぱいもそれで上手になった。
キャンバスの上でだけじゃなくて、自分の顔にも絵の具をのせられるようになったって。」
「オババせんぱいは化粧しないとのっぺらぼうだからな!!」
「うん。」
“うん”としか答えられなかった。
ユズの目から涙が流れてきたから・・・。
沢山沢山、流れてきたから・・・。
それでも、ユズは笑っている。
いつもの笑顔で笑っている。
「俺、絶対に忘れないから。」
泣きながら、笑いながら、ユズがそう言った。
「みんなのことも、これまでのことも、今日のこの景色も、絶対に忘れないから。」
ユズの言葉に、駿が私の右手を強く強く握ってきた。
その右手は少し震えている・・・。
「駿・・・?」
駿を見上げると、駿は真っ直ぐと商店街を見ながら静かに涙を流している・・・。
その向こうでは、ユズも・・・。
ユズも真っ直ぐと商店街を見詰め、静かに涙を流している・・・。
そんな2人を見て・・・
私も商店街を真っ直ぐと見詰めた・・・。
真っ白な世界の中、“ゆきのうえ商店街”に沢山の雪だるまが溢れているのを・・・。
ユズの家のお化粧品でお化粧をした雪だるまのお客さん達を・・・。
「“ゆきのうえ商店街”のことを、俺は絶対に忘れないから・・・。」
ユズのその言葉を聞き、私はこの景色の向こう側にある商店街の入口にあるアーチを見た。
私が生まれてから数日後に変えたアーチを。
そして、商店街の名前も変えた。
会長が本屋のオジサンから今の会長に変わり、変えた。
道が見えないくらいの雪の上でも歩いていける、それくらい強い商店街になるように。
この真っ白な世界、お化粧をした沢山の雪だるまの向こう側、“ゆきのうえ商店街”と書かれたアーチを真っ直ぐと見詰める。
私の右手が痛いくらいに握られているのに気付き、私も強く握り返した。
「「高みを目指そう。」」
「駿、高みを目指そう。
名刺1枚でどんな偉い人にも負けないくらい、それくらい上を。」
「了解です。」
「じゃあ、俺も・・・。
俺も高みを目指す。
もう誰にも何も取られないように・・・。」
ユズの震える声が、響いていた・・・。
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