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「美味しい繋がりだけど、まり姉・・・これめちゃくちゃ旨いだろ!!」



光一がそう言って可愛いデザインのお菓子のパッケージを私に付き出してくる。



それを見ながら、言った。



「そうかな・・・。
全然美味しくなかったけど・・・。」



私がそう答えると、和君が大笑いをした。



そして・・・



「理子、そのカメラにこのお菓子入ってる?」



「入ってるどころか、和君とのさっきのやり取り中はこのお菓子をズームで撮ってた。」



「・・・マジで優秀だな、うちの会社に就職しない?」



「的場製菓か・・・う~ん・・・でも、こういうお菓子そこまで好きじゃないからな。
真理姉も久しぶりに食べたんじゃない?」



理子がカメラをお菓子から私の方に向けてきた。
私はカメラを片手に持っている理子を見詰めながら・・・



「今回の新商品、全然美味しくないよ・・・。
和君も力を入れたらしいんだけど・・・全然、美味しくなかった・・・。」



私のその言葉に、和君も理子も大笑いをして・・・



「そこまで言われたら私も気になる!!
お兄ちゃんお菓子ちょうだい・・・って、もう顔見られたから顔入れちゃうね。
お兄ちゃん別に大丈夫でしょ?」



「どうなんだろうな・・・。
上司に聞いてみる・・・。」 



光一が私の部屋に入ってきて、ローテーブルにお菓子を置き座った。
理子はカメラをセットしてまた座り、和君は私の隣に座った。



そして・・・



4人で的場製菓の新商品を食べる・・・。



「あ~・・・本当だ、あんまり美味しくない。」



理子の言葉に和君は項垂れ「マジかよ!?」と・・・。



「お前ら普段贅沢してるからだろ!!
これすげー旨いじゃん!!
真理姉も理子も高いスイーツ月に1回食べに行ってるだろ!?
それが原因だろ、やめろよ!!」



「「それがあるから頑張れるから。」」



理子と言葉が重なり、お互いに顔を見合せ笑いあった。



「女の子は・・・可愛くて美味しいが、正義だから・・・。」



そう言った私に、理子が大きく頷いている・・・。



そしたら、和君が私の肩に大きな手を回し・・・



和君の大きな身体に引き寄せてきた・・・。



そして・・・



「可愛くて美味しいが正義なのは、女の子だけじゃねーから。」



と・・・。



そんな和君の言葉に、今度は光一が大きく頷いている・・・。



「男にとっても、可愛くて美味しいは正義に決まってるだろ。」



和君がそう言って・・・



私の頬をもう片方の大きな手で包み・・・



親指で私のソバカスの辺りに触れた・・・。



「真理が気にしてるこのソバカスも破壊力抜群に可愛い・・・。」



そんなことを言って・・・



熱い眼差しで、私を見詰め・・・



「可愛くて美味しい・・・俺の真理姉・・・。」



と、言ってきた・・・。



それには・・・



和君から言われた初めてのその言葉には・・・



破壊力抜群で、心臓が止まりそうになった・・・。



「待ってよ!!
それは私の・・・私だけの台詞!!」



理子が大きな声でそう言うと、和君が得意気な顔になり・・・



「俺は理子も知らないような、すっっっげー可愛い真理姉知ってるしな!!
なんなら、色んな意味でおいし・・・」



「あーーーー!!!
私のチャンネルで変なことは言わないでよ!?」



「すげー・・・チャットが、“可愛くて美味しい私のまり姉”と“可愛くて美味しい俺のまり姉”で埋め尽くされ始めた・・・。」



光一の言葉に、4人でパソコンの画面を見た。



そして、私は笑ってしまった・・・。



コミュ障の私に・・・



コミュ障の私なのに・・・



素顔は全然可愛くない私なのに・・・



“武装”も出来ていない“私”なのに・・・



沢山いる・・・。



私を応援してくれる人が・・・。



私のことを“可愛くて美味しい”と言ってくれる人が・・・。



現実世界にも、ネットの世界にも・・・。



沢山、いる・・・。





















「“可愛くて美味しい真理姉”が俺の奥さんって、俺すげーな!!」



「私だって、“可愛くて美味しい真理姉”の妹だもん!!」




そして、和君と理子が勢いよく私の方を見てきて・・・




「俺の真理姉だよな!?」



「私の真理姉だよね!?」




と・・・。




“可愛くて美味しい真理姉”は、取り合いをされるくらいになったようです・・・。










end.........
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