【完】可愛くて美味しい真理姉

Bu-cha

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「真理姉、家事代行の新しいお宅はどう?」



カメラを片手に持った理子が、薄いピンク色のドレッサーの前に座る私にそう聞いてきた。



「凄いよ・・・大豪邸っていうより・・・お屋敷・・・。」



数日前から、私は新しいお客様のお宅で家事代行の仕事を週3日しにいっている。



「私も噂でしか聞いたことないけど、部屋数も多いんでしょ?」



「本当に凄いの・・・。
それに、凄く良いお客様で・・・。
そろそろお子さんが産まれるから、そしたらベビーシッターもお願いしたいって・・・言ってくれてて・・・。」



加賀製薬の社長さん夫婦、そして娘さん夫婦が住むお屋敷に派遣されることとなった。
加賀製薬は、私の2人の弟が就職をした会社で・・・。
そして・・・



新しい化粧下地をつけながら、カメラを回す理子を見る。



そしたら、理子がスマホを片手に持った。



「そうだ、真理姉・・・この2人知ってる?
この前私のSNSにメッセージが送られてきて、ちょっと気になって。」



そう言って、理子が私にスマホを渡してきた。



その画面を見て・・・私は、驚いた・・・。



「真理姉の小学校の頃の“友達”って言ってて。
でも、そういう系のメッセージ結構来るから無視してるんだけど、この2人は真理姉との当時のエピソードも結構あって・・・あと、なんか謝罪もしてるし。」



理子の言葉を耳から入れながら、私はスマホの中にある2人からのメッセージに目が離せないでいる・・・。



だって・・・



だって・・・



そこには・・・



いたから・・・。



いたから・・・。



「うん・・・“友達”だったよ・・・。
卒業までこっそりお喋りしてた、私の“友達”・・・。」



理子のスマホの中には・・・



私立の中学校へ進学した美咲ちゃんと茜ちゃんが、いた・・・。



“次はこっそりじゃなくて、ちゃんとお喋りしたいです。”



そう、書いてあった・・・。



信用出来ない“今度”ではなくて・・・



“次”と、書いてあった・・・。
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