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“和”君に戻った和君が、大急ぎでズボンを履きネクタイを締めていく。
それに少し笑いながら私も洋服を着ていくと、和君が申し訳なさそうな顔で笑ってきた。



「ごめん・・・そこ、片付けて貰えると嬉しいです。
俺、タイムリミットが・・・。」



そう言って私が座っているソファーを見ていて、私は少し声を出して笑ってしまった。



「うん・・・片付けも掃除も、私は得意だから・・・。」



「助かります。」



和君がスーツのジャケットを着て、最後にネクタイをキュッと整えた・・・。



そして、私のことを熱い眼差しで見下ろし・・・



「送ってやれねーから、これ・・・」



と、1万円札を私に渡してきた。
それに驚きながら首を横に振る・・・。



「ああいうことしてすぐに帰すし、せめてタクシーで帰って。」



「でも・・・」



私が首を振り続けていると、和君は困ったように笑ってまたお財布を開き・・・



「じゃあ、これで。」



と・・・。



3千円を私に渡してきた・・・。



その3千円を眺めていると・・・



和君が嬉しそうに笑いながら、私のパーカーのポケットに3千円を入れてきた・・・。



「3千円だと俺のマンションの方だな。
今日急いで帰るから待ってて。」



そう言われて・・・



私は小さく頷いた後に和君を見上げた。



「ちゃんとした物、作っておきます・・・。」



「じゃあ、牛丼でお願いします。
俺には作ってくれたことねーだろ。」



そんな幸せなリクエストに、私は大きく頷いた・・・。
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