【完】可愛くて美味しい真理姉

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約2週間後・・・



「新商品、そろそろだね。」



副社長室の中、増田がそう言って新商品のお菓子を持って俺を見てきた。
あと数日で発売になるお菓子を持って。



でも、俺は・・・



「そんなことより、昨日アップされたまり姉の動画見たか？」



「そんなことよりって！！
副社長様が、自分も力を入れた新商品をそんなことよりって！！」



増田が大笑いしていて、何度か頷いた。



「俺は見るなって言われてるから律儀に見てないよ！
でも、見てる人から聞いた！」



「・・・本当に見てないのかよ？
お前なら見てないとか言って見てる奴なのに。」



「岩渕さんの件については本当に見てない！！」



意外なことに増田は本当に見ていないらしい・・・。



「岩渕さん、“和君が自分のこと思い出してくれて、それでも好きでいてくれるなら嬉しいかも”って言ったんでしょ？」



「そんなハッキリは言ってねーけどな！！
“リコ”が強制的に言わせたような感じでもあったけど。」



「そうなんだ？そこまでは聞いてないや。
言ってみるの？岩渕さんに。」



「言うだろ！もうそこしかねーから！！
不在中でもまり姉なら大丈夫だから7時半からにして、会える時間が短いのに絶対に仕事中っていう対応しかしてくれねーし！！」



「そうなんだ？
でも、俺未だによく分からないんだよね。
和君和君和君、好き好き、和君和君、大好きって言ってるのに別れるって言ってるんでしょ？
自分のこと忘れてるって言って。」



増田がそう言いながらスマホを手に取り・・・



「ダメだ、やっぱり俺は見ない。」



「もう別に見てもいいよ、ここまで来たら恥ずかしいとかではなくアドバイス欲しい。
こんな風にばったり会ったし、仕事中に声掛けても困惑した感じにするだけだし・・・。
“彼氏”としては家の中では話して欲しくないみたいで・・・。
でも、動画ではそこまでは言ってねーし・・・。」



「メッセージの返事は来るんでしょ？」



「それは来るけどな・・・。
でも、外では会ってくれそうにねーな・・・。
外でばったり会っても・・・俺、もう声掛けたらいけなくなってるのかもしれねーな・・・。」