【完】可愛くて美味しい真理姉

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数日後・・・



「増田、男女のきょうだいって抱き合うことあるか？」



出社してすぐ、俺よりも先に副社長室に入っていた増田にそう聞いた。



「この前アップされた岩渕さんの動画だよね？」



「・・・見るなって言ったよな？」



「見るなって言われたから俺は見てないって！
見てる人から聞いてるだけ！」



増田が面白そうに笑いながら、パソコンの電源を入れる。



「弟の退院日でしょ？
嬉しくて抱き付いただけじゃない？」



「例え俺が退院したとしても、妙子は絶対にそんなことしないぞ？
それに、あっちの方の“弟”・・・」



俺は言葉を切った後、数日前に付き合えた“真理”が出ている動画をまた開く。



「こいつ・・・顔はモザイク掛かってるけど・・・妙子の友達かも・・・。」



「そうなんだ？“コウイチ”？」



「本名知らねーけど、たまに家に来るんだよな。
“サメ”って言ってるから俺もそう呼んでるけど・・・。
良い奴で・・・こういう奴が妙子の彼氏になればいいなと思う奴で・・・。」



「でも岩渕さんは、“和君和君和君、好き好き、和君和君、大好き”って言ってるんでしょ？」



たまに言う増田のその言い方には笑ってしまい、俺はスマホの中で“コウイチ”に抱き付いている“まり姉”を見る。



「俺も抱き付かれたことないんだけど。」



「弟に嫉妬するなって！面倒臭いな！！」



「こっちの弟も真理の本当の弟か？
弟2人のことはあんまり触れてねーからな・・・。
“リコ”も2人のこと“私のお兄ちゃん”って呼ぶし。
でも、真理には本当の弟1人いるしな。」



「妹ちゃんに聞いてみれば？」



色んな意味で優秀な俺の秘書がそう言ってきたので、俺は頷きスマホを耳に当てた。



「今！？」



「まだ就業前だから出るだろ。」