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“社会人になれなかった”
そんな言葉を悲しそうな顔で・・・でも、しっかりとカメラを見て話す“岩渕さん”。



「変わってないな・・・。」



何も変わっていないと分かった。



顔も雰囲気も話し方も・・・。
どんな時でも顔を上げていることも・・・。



そう思いながら自然と笑っていた時・・・



動画の中の“岩渕さん”が、片方の眉毛が太い顔で照れたように笑って・・・



『私は・・・和君のことが今でも好きだけど・・・もう恋愛はしないよ・・・。
小学校だけじゃなくて、中学校でも・・・。
女の子達から散々言われたから・・・もう、ちゃんと分かってる・・・。』



『中学でも虐められまくったよね~・・・。
教科書とかノートとか体育着をぐちゃぐちゃにされた時は、私のお兄ちゃんがまり姉の学校まで乗り込んで大暴れしたからそういうのはなくなったけどね!』



中学でも虐められていたというエピソードにはショックを受けていると、動画の中の“岩渕さん”は目に涙を溜めながらカメラを見詰めた・・・。



『和君が・・・私に優しくしてくれていたのは・・・私が虐められてたから・・・。
勘違いしてた・・・私、小学生の頃・・・勘違いしてて・・・告白なんてことをしてしまった・・・。』



息が出来なくなる程、その言葉に驚いていると・・・



“岩渕さん”の目からは涙が・・・



涙が、流れた・・・。



『他の女の子達は・・・みんな気付いてたのに・・・。
思い返すと、そんなようなことも女の子達から・・・言われてたのに・・・。
私・・・コミュ障だから・・・分からなくて・・・。
少しでも、和君の特別なんだと・・・勘違いしちゃってた・・・。』



『・・・あ、まり姉。
今回のアイライナー、ウォータープルーフだけどダメだ、落ちてくる。』



『・・・ほんとだ。』
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