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それには何て返事をしようか悩んでいると・・・葛西さんは困った顔で笑い始め・・・



「あの人の正義、ぶっ壊れてるだろ絶対。
お前の次の派遣先は絶対に女性の家にして欲しいとか、無理なく働ける所にして欲しいとか・・・。
あんまり忙しくならないようにして欲しいとか、すげー煩いんだけど。」



「そんなこと・・・言ってるんですか・・・?」



それには驚いていると、葛西さんが私のことをジッと見てきて・・・



「あの人、お前の“彼氏”?」



と・・・



そう、聞かれてしまって・・・。



「付き合ったから契約終了になったのか・・・。」



と、言ったかと思ったら・・・



「・・・なんだよその反応。
まさか・・・彼氏の所にたまたま派遣したのか、俺。
いや・・・俺も“岩渕さんなら大丈夫じゃないですか”って、救世主に言われたからお前に決めたんだよな。」



そんなことを言われて・・・



「偶然・・・か?」



葛西さんが意味深に小さく笑った後・・・



「そういえば、お前がすげー緊張してたからあの人の名前も勤め先も言わずに住所だけ伝えたんだよな!!
あのマンションだけでもビビるのに、大企業の副社長とか更にビビらせるからな!!」



「・・・ビックリしました。
あの人が扉から出て来て・・・ビックリしました・・・。」



「あの人もビックリしただろうな!!
“まり姉”っていう通称と、家事代行の研修中の実績しか載せてないような資料だったからな!!」



葛西さんが大笑いしながらそう言ってきて、しばらくしてから少し怒り出した。



「何かあったらすぐに言えって言っただろ!
コミュ障が無理するとろくなことにならないからな!!
・・・まさか、派遣されたことによって別れたとかなってねーよな?」



「・・・派遣されたことによってではなくて・・・。
元々、別れるつもりで・・・。
でも・・・その理由もなくなったかと思ったら・・・別の問題が出て来てしまって・・・。」



「なんだよ!!ハッキリ言えよ!!」



いつも以上にモゴモゴと話していたら葛西さんから怒られてしまい・・・



顔を上げ続けたまま、覚悟を決めて口を開いた。



「あの人・・・私が出演している動画、『可愛くて美味しい私のまり姉』を見ていました・・・っ。」




.
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