【完】可愛くて美味しい真理姉

Bu-cha

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「あの・・・和雄君・・・」



和雄君の大きな身体に抱き締められ、ドッドッドッ────と心臓が壊れそうになるくらい暴れている・・・。



暴れ続けている・・・。



そしてそのまま心臓が停止してしまうのではないかというくらい、暴れ続けている・・・。



でも、それは・・・



それは・・・



和雄君からも、伝わってくる・・・。



和雄君の心臓も大きくて速い鼓動になっているのが、私にも伝わってくる・・・。



「真理・・・ありがとな・・・。
あの時・・・牛丼屋で・・・ばったり会って声を掛けてくれて、ありがとな・・・。」



“和雄”君が・・・



そう言ってくれる・・・。



“可愛い私”にだけど、そう言ってくれる・・・。



「真理、ありがとな・・・。」



“真理”と・・・



“真理”と、言って・・・。



まるで・・・まるで、“私”自身に言ってくれているように・・・。



ずっと、その為に頑張ってきた・・・。



“和”君とばったり会った時、声を掛けることが出来るようになる為に努力してきた・・・。



“和”君は覚えていないと思うけど・・・。
そんな約束、忘れていると思うけど・・・。



でも、私にとっては忘れられない“今度”で・・・。



大切な大切な、“今度”で・・・。



そんなことをグルグルと考え続けていたら、“和雄”君が私の身体をギュウ────...と強く抱き締めてきた・・・。



「すげー好きだよ、真理・・・。」



そう言って貰えて・・・



こんなに、愛して貰えて・・・。



苦しいけど、嬉しくて・・・



悲しいけど、嬉しくて・・・



悔しいけど、嬉しくて・・・



泣きたくなるくらいに、嬉しくて・・・



無意識に膝の上で握り締めていた両手をゆっくりと開き・・・



ゆっくりと・・・



ゆっくりと・・・



動かして・・・



動かして・・・



“和雄”君の大きな背中に、両手を回した・・・。



それに少しだけ“和雄”君の身体がピクリと動き・・・



顔を上げ続けたまま、“和雄”君に伝えた・・・。



熱い眼差しで“私”を見詰めている“和雄”君に、伝えた・・・。



「“私”も・・・好き・・・。」



そう言った“私”の唇に“和雄”君の熱い眼差しが移り・・・



それが分かった時・・・



“和雄”君の唇が・・・



優しく、“私”の唇に・・・



重なった・・・。
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