【完】可愛くて美味しい真理姉

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正義のこの人を・・・私の正義だと思っていた的場和雄を見上げる。
苦しくて痛くて悔しくて、泣いてしまいそうで・・・。
涙が溜まってきた目で私の“彼氏”である和雄君を見上げる。



「うん、もう会うつもりなかった。
ごめんね？」



やっと、言える・・・。
この人が正義の人ではないと分かって・・・。
“彼女”がいるのにああいうことをする人だと・・・
コミュ障の私の勘違いかもしれないけれど・・・
それでも、この“私”にとっても充分すぎるキッカケで・・・。



ばったり会ったことによって付き合って。
ばったり会ったことによって別れる。



詐欺のようなことをして付き合った“彼女”と、
コミュ障の女に詐欺みたいなことをしている“彼氏”。



そんな2人には、こんな最後で良いのかもしれない。
こんな最後で良かったのかもしれない。



そう思いながら、自然と溜まってきた涙を目に留めながらも言った・・・。



顔を上げないと見えないから・・・。



下を向いていたら見えないから・・・。



何も、見えないから・・・。



天国にいるお母さんに・・・



私の顔が、見えないから・・・。



お母さんとの約束を守りながら、“可愛い私”の“彼氏”である和雄君に笑い掛けた・・・。



「別れよう、遅くなってごめんね？」



そう言って、笑い掛けた・・・。