【完】可愛くて美味しい真理姉

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「知り合いの社長数人から聞いたぞ！
和雄が凄く可愛い彼女連れて来たって！！」



和雄君のお父さんが和雄君を見ながらニヤニヤと笑っている。



そんなお父さんに・・・
和雄君は少し焦った顔になっていて・・・。



「和雄も俺と同じで可愛い女の子を彼女にしたのか！！
お前は“中身の方が大切”なんて散々言ってたけどな！！
可愛くて中身も良い女の子が1番良いだろ！！」



「いや、俺は今でも中身の方が大切だと思ってるからな？」



和雄君が少し焦った様子でそんなことを言って、私の方を見てきた。



「少し時間あるか？
昼飯一緒に食べながら話そう。」



またそう言ってきたので、笑いながら首を横に振った。



「お昼ご飯は家で食べてきたの。
それに、今は仕事中だから！
また今度連絡するね！！」



「今度っていつだよ・・・？
会うつもりなかっただろ？
俺ともう・・・会うつもりないだろ？」



和雄君が・・・怖い顔を凄く怖い顔にして・・・そんな顔で“私”のことを見てくる。



バレていたらしい・・・。



“私”がもう和雄君と会うつもりはなかったと・・・。



それでも・・・



メッセージでも・・・



別れ話が出来なくて・・・。



ズルズルと付き合ってしまっていた・・・。



付き合っているという関係だけ、続けてしまっていた・・・。



だから、あっちにあんなことをしてしまったのかもしれない・・・。



あっちの私に・・・。



“別の私”に・・・。



可愛くはないけど、すぐに手が入りそうで・・・
お金も掛からなそうだから・・・。



そういう感じの女が必要な時だったのかもしれない・・・。



“彼女”と11月から会えていなくて・・・



その“彼女”はもう会わないつもりなのだと思っていて・・・



会えないまま、ズルズルと付き合っていて・・・。



和雄君にとっては大好きな“彼女”のようだったから・・・。



だから苦しくて、痛くて、悔しくて・・・



可愛くもないコミュ障の私に・・・



あんなことをしていたのかもしれない・・・。



“お客様と個人的に一切関わらないこと”



“お客様のことを絶対に好きにならないこと”



正義のこの人が、自分から出してきた注意事項を守らずにいるくらい・・・



それくらいだったのかもしれない・・・。