【完】可愛くて美味しい真理姉

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3-11

そのチョコのお菓子を見下ろしながら言う。



「お母さんがいなくて、寂しくて・・・。
苦しくて・・・痛くて・・・悔しくて・・・泣いてばかりいて・・・。」



「うん・・・。」



その時のことを思い出しながら、私はチョコのお菓子を口に入れた・・・。



「その時にこういうお菓子があって・・・。
こういうお菓子を食べられて・・・。
あの時の私にとっては・・・こういうお菓子が・・・正義でした。」



さっきは全然美味しくないと思ったチョコのお菓子。



そのお菓子も、あの時のことを思い出したら美味しく感じた・・・。



久しぶりに食べた人工的過ぎるチョコの甘さも、美味しく感じた・・・。



そう思いながらチョコのお菓子を食べたら・・・



食べたら・・・



的場様の目が・・・



熱い・・・



熱い、眼差しになった・・・。



勘違いだとは思うけど、そんな眼差しになった・・・。



そして・・・



そして・・・



ゆっくり、私に近付いてきた・・・。



近付いてきて、しまって・・・



そして・・・



そして・・・



信じられないことに・・・



あり得ないことに・・・



唇が・・・



唇が・・・



重なった・・・。



重なって、しまった・・・。