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私がそう答えると、的場様は真剣な顔で私を見てきた・・・。



「その・・・私も一応、女子なので・・・。
可愛くて美味しい物は・・・やっぱり好きで・・・。
女子にとってそれは・・・可愛くて美味しい物は・・・正義で・・・。」



そう言いながら、的場様に笑い掛けた。
自然と、笑い掛けた・・・。



「月に1度のその正義の為に、私は毎日頑張れています・・・。」



そして、ローテーブルに置かれているチョコのお菓子を見る。
笑顔のまま、見る・・・。
前髪の隙間から・・・見る・・・。



「こういうお菓子がダメとか、そういうことを言いたいのでは、なくて・・・。
何処でも手軽に手に入って・・・お安く手に入って・・・そういう正義を必要としている時も、人もいるはずで・・・。」



チョコのお菓子から視線を移し、的場様を見た。



「私が小さな頃にお母さんが死んでしまって・・・。」



「うん、そうだったよな・・・。」



「お母さんは・・・お菓子を手作りする人で・・・。
お母さんが死んでしまってから・・・家にお菓子がないので食べられなくなってしまって・・・。」



「うん・・・。」



「お母さんのご飯も、お母さんのお菓子も・・・食べられなくなってしまって・・・。」



「うん・・・。」



真剣な顔で私を見ている的場様に自然と笑いながら、私はローテーブルに置かれていたチョコのお菓子をまた親指と人差し指で摘まんだ。
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