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そんな言葉に、この子は驚き・・・




「私のスッピンは酷いわ、認める。
でも、そこまで言われたことはないわよ。」




そう言いながらも、また大笑いしていた。





「“アナタ”、こんな所にいたのね。」





“アナタ”
この子が何気なく言った、この呼び方に・・・
僕は震えるくらい幸せを感じた。





「もっと早く来ればよかったわ。
インターフォンを鳴らして。」





「インターフォンを鳴らして・・・?」





「また“アナタ”に会いに来てもいい?」





「僕に・・・どうして・・・?」






聞いた僕に、この子は大笑いしていた。







「“アナタ”って、おかしな人ね。」







「僕が・・・?」








そんなこと、初めて言われた・・・。
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