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また、驚き、オジさんを見る。
「お前は俺の友達だよ。
俺はお前の存在に何度も救われてたからな?」
「僕もだよ・・・。
電車・・・乗せてくれてありがとう。」
「1人でだって行けるんだぞ。
好きな所まで、何処までだって。」
「うん・・・そうだね・・・」
オジさんが父に・・・社長に話をつけてくれ、すぐに1階に引っ越した。
家具はオジさんが立派な物を揃えてくれていた。
でも、僕は数日住んだ後・・・
オジさんにお願いをして、201号室を借りた。
1階の広い家に住んでいると、想像したくないのに、想像してしまったから・・・。
あの広い部屋に、僕以外の家族の誰かがいる所を・・・
ダイニングテーブルに、誰かが一緒に食事をしてくれる所を・・・
大きなソファーに、誰かが隣に座ってくれる所を・・・
広いベッドに、誰かが隣で寝ている所を・・・
想像したくないのに、何度も何度も、想像してしまったから・・・。
意思もない、僕が・・・。
名前もないような、僕が・・・。
誰かの名前を呼び・・・
誰かに名前を呼んでもらう・・・
そんな、多分、“普通”の日常を・・・
夢に見てしまった・・・。
“FUJIメゾン・ビビ”
どうしてオジさんは、僕の卒業祝いに・・・
こんなに残酷な名前のマンションを、プレゼントしたのだろう・・・。
「お前は俺の友達だよ。
俺はお前の存在に何度も救われてたからな?」
「僕もだよ・・・。
電車・・・乗せてくれてありがとう。」
「1人でだって行けるんだぞ。
好きな所まで、何処までだって。」
「うん・・・そうだね・・・」
オジさんが父に・・・社長に話をつけてくれ、すぐに1階に引っ越した。
家具はオジさんが立派な物を揃えてくれていた。
でも、僕は数日住んだ後・・・
オジさんにお願いをして、201号室を借りた。
1階の広い家に住んでいると、想像したくないのに、想像してしまったから・・・。
あの広い部屋に、僕以外の家族の誰かがいる所を・・・
ダイニングテーブルに、誰かが一緒に食事をしてくれる所を・・・
大きなソファーに、誰かが隣に座ってくれる所を・・・
広いベッドに、誰かが隣で寝ている所を・・・
想像したくないのに、何度も何度も、想像してしまったから・・・。
意思もない、僕が・・・。
名前もないような、僕が・・・。
誰かの名前を呼び・・・
誰かに名前を呼んでもらう・・・
そんな、多分、“普通”の日常を・・・
夢に見てしまった・・・。
“FUJIメゾン・ビビ”
どうしてオジさんは、僕の卒業祝いに・・・
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