上 下
193 / 262
11

11-10

しおりを挟む
「違うの!?今の流れは、完全に暗殺者の流れじゃないの?
それか、やっぱり忍者よね?
もう、忍者でいいんじゃないの?」



「まあ、スパイ・忍者・暗殺者・・・言われてみると、良い線いってるのかな~・・・」



急に悩みだしたこの人が面白くて、私は大笑いしながらもたれ掛かる。



「何でもいいじゃない。
私、あなたが一緒に立っていてくれるなら、それだけでいいのよ。
あなたがいないと、私は1人で立っていられないくらい、弱い女になっちゃったの。」



「僕もだよ・・・。」



この人が、優しく抱き締めてくれる・・・。








「僕の名前は・・・戸籍上の名前は、“とも”。」



「“とも”?」



「・・・凄く、いいね。
もう1回言って?」



「“とも”。」



「・・・なんだろう、凄くいい。
漢字は、“智”。
知識の“知”の下に、日光の“日”で、“智”。」



「智?」



「・・・もう1回、言って・・・?」
しおりを挟む

処理中です...