上 下
192 / 262
11

11-9

しおりを挟む
「今回は本当に自信があったんだけど・・・」




この人の背中を擦りながら、溜め息を吐く。
笑っているこの人が喋ろうとして、また笑って・・・を何度も繰り返し・・・私も笑う。




「キミは、僕が暗殺者でもいいと思ってたの?」



「そうよ?」



「・・・ありがとう。
暗殺者よりは良いと思うから、気持ちが軽くなったよ。」



この人が笑いながら、私を見詰め・・・


















「僕は、影なんだ。
藤岡ホールディングス・・・ホールディングスだけじゃなくて、その子会社、グループ会社、全ての組織全体の、影なんだ。」




私は、この人を見詰め返す・・・




「・・・そんなにワクワクしてる顔の中申し訳ないけど、暗殺者じゃないからね?」
しおりを挟む

処理中です...