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「明日土曜日だけど、キミは何か予定ある?」



「アナタと一緒にいてあげるから安心しなさい。」




私のスーツにもココアが染み込み、2人でココアの匂いに包まれる・・・。




「海・・・行きたいな。」



「いいじゃない。行きましょう。」



「電車で・・・。」



「そうね、ちゃんと普通の服着なさいよ?」




嬉しそうに笑っているこの人が、私を見下ろす。




「明日は、僕がインターフォンを鳴らすから。」




私は驚き、この人を見る・・・





「僕がインターフォンを鳴らして、会いに行くから・・・待ってて?」





私は笑いながら、少しだけ泣きながら、何度も頷く・・・。







この人の顔が近付いてくる・・・






私も少しだけ近付き、目を閉じた・・・。
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