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「凄く・・・いいじゃない・・・。」



パッと見て、すぐに気に入ったネックレスが・・・。



でも・・・流石に、高過ぎる・・・。



“そろそろ、指輪貰えるんじゃない?”



さっき店長に言われた言葉を思い出す。



そして、また笑ってしまう。



有り得ない。
だって、まだ身体の関係も何もない。
キスどころか、手を繋ぐことも・・・身体のどこにも触られたことはない・・・。



好きとも、付き合おうとも、何も言われていない・・・。



それどころか・・・



名前も、知らない・・・。



聞いてみたけど、教えてくれなかった・・・。



でも、私はあの優男が好き・・・。



それに、優男だって、私のことが好き・・・。




結婚なんて、そんなのは別に求めていない。




優しさの塊みたいなあの人と、くだらないことで笑い合える時間が続くことが、1番大切なことだと思うから。
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